座りすぎは万病の元

タバコを吸うことが百害あって一利なしなことは、今では誰もが知っている事実。昔は「健康的」とまでされていた喫煙ですが、時がたち知識(と健康被害)が増え、化学が進展し、喫煙は喫煙者だけでなく、副流煙を吸う人にも害があることがわかりました。

しかし現代は食生活や働き方の変化、利便性の高い社会へと発展した中で新たに出てきている健康被害が注目されています。それは「座りすぎ」について。

日本人は世界の20カ国と比べても、20歳以上の成人の1日の平均着座時間が一番長く5~7時間と言われています。その中でも8時間以上と答えた人がなんと35%を超えています。長時間のオフィス勤務や残業文化がいまだに根付いている日本ならではの数字が背景にあります。

私たちは今座りすぎています。

では、座りすぎることで起こりうるリスクはいったいどんなものがあるのでしょうか?

"Sitting is the New Smoking"

長時間の着席が喫煙よりも害をもたらす、という表現が生まれたほど今世界では人々が座りすぎていることについて警鐘を鳴らしています。

座ることが、そんなに体に悪いの?と思うかもしれませんが、私たち人間の体は動きが少ければ少ないほど劣化していきます。それは筋肉や脂肪だけでなく、すべての信号を司る「脳」という臓器も含め全てです。

上記の画像にもあるように、体を十分に動かさないことでありとあらゆる病気のリスクが上がることがわかっています。肥満や高血圧、インスリン抵抗性(膵臓が十分にインスリンを分泌できないため2型糖尿病になるリスクがある)や中性脂肪の増加(メタボリック症候群)は、それぞれの疾患と関連性があるので、一つがバランスを崩し始めればドミノのように他の症状が後に続きます。

逆を言えば、座りすぎを改善するだけでこれらの症状が連なるように改善していく、とも言えるのです。

「座りすぎ」はどう防ぐ?

WHO(世界保健機関)では、座る時間を長く継続させないために30〜45分起きに立ち上がり軽いストレッチやウォーキングをすることを勧めていて、平均で一日20〜40分の中強度の運動、もしくは10〜20分の高強度の運動が、座りすぎから起こりうるさまざまなリスクをオフセットすると発表しています。

1. 働き方から防ぐ

スマートウォッチやウェアラブルヘルスデバイスを使っている人は、長時間動いていないと「そろそろ動いてください」というアラートが鳴ったりしますね。私もOura Ringというヘルスリングを4年ほど付けていますが、1時間以上座っていると連動しているスマホの方に「動け!」というメッセージが来ます。こういったデバイスを駆使したり、携帯電話のアラーム機能を使ったりして体を動かすタイミングを意識しながら仕事をするといいと思います。

私の子供たちの学校では「オルタナティブシーティング」というシステムが導入されていて、一つの教室に通常の椅子と机の他に、フロアクッションやバランスボール、スタンディングデスクなど、様々なスタイルのシーティングがあります。これらは企業でも導入されているところが多く、一人ひとりに合った学び方や働き方を尊重することで、良い成績や業績につながることがわかっています。

2. 運動習慣から防ぐ

そして、継続的に取り入れると良い運動についても少し説明します。中強度の運動は「やや息が上がる・会話ができる」程度を示すので、早歩きのウォーキングやジョギング、ウェイトトレーニング、ゆっくりと泳ぐことなどがあります。高強度の運動は「しっかりと息が上がる・会話がやや難しい」運動を示すので、インターバルランニングやHIITトレーニング、クロスフィットなどがあります。

「息が上がる」と言うことを正確に示すためには心拍数を測ることがいいです。私たちの最大心拍数は【220ー年齢】で出るので、私の場合は【220ー40=180】となります。

中強度の運動は最大心拍数の50~70%、高強度の運動は70~85%が目安なので、こういった数値もウェアラブルデバイスなどを付けているとわかりやすく表記されます。

運動は習慣として身につかない限り継続は難しいものです。自分の時間や体力を考えながら、長く続けられるものを選ぶのが一番効率的です。

おすすめエクササイズ

ここまで読んで「やばい、、、私座りすぎてるかも、、、」と思った人、1人じゃないです!おそらくほとんどの人が理想的な体の動かし方をしていない現状があります。私自身も「健康的」と言えるまでの運動習慣ができるまでに2年ほどかかりました。今日は、忙しい仕事の合間にできるエクササイズをシェアするので、ぜひ取り入れてみてください。

【ふくらはぎ運動】オフィスでのデスクワークや座ったままの移動が多い人、長時間の会食などでなかなか立ち上がれない人におすすめ。座ったまま、両足のつま先を床につけ踵を上げ下げしてふくらはぎの筋肉を刺激します。長時間座っていて滞った血流を改善します。例えば食後に座ったままこの小さな動きをするだけでも、血糖値を下げる効果があることが分かっています。

【とりあえずスクワット】スクワットは人間の体で一番大きい太ももの筋肉「大腿四頭筋」にメインに効かせる有名な筋トレメニューです。筋肉は動かすことで量が増えるだけでなく、脂肪燃焼効率もアップしてくれるので、動かす筋肉の割合が多ければ多いほどエクササイズ自体の効率も上がります。迷ったらとりあえずスクワット。理想は20回程度を3セットですが、足の広げ方によって負荷が変わったりするので、オフィスなどでやる時は恥ずかしくない程度に(笑)在宅ワークなら、確実におすすめです!私もこのブログを書いている間にやり、体も一瞬で温まりました!

【文明に頼らない】自分の2本の足で歩くことができるのは特権です。動かさなければ劣化が進むだけです。エスカレーターやエレベーター、動く歩道まで、便利な世の中ではありますが、できる限りそれらに頼らず行動することで体を意識的に動かす機会を増やしましょう。駅のアップダウンは必ず階段。5階までならエレベーターに乗らない。食材を入れたバッグはダンベル代わり。階段は必ず1段飛ばし、などなど。マイルールはなんでも良いんです。一つでも多く、体を動かすポイントを見つけていきましょう。

健康は財産

私も40歳という節目を迎え、今まで以上に自分の健康に向き合う機会が増えました。同時に、健康であることがどれだけ奇跡で、それを維持するためにどれだけの努力をしないといけないのかも痛感しています。忙しい毎日の中の貴重な時間を、「健康維持」のためにどれだけ使うかは「環境保護」のために何をするかにとても似ています。

やりたいことや行きたい場所がある、仕事で達成したいゴールや、子どもや家族のためにしたいこともあります。しかし、これらの目標は全て健康な体であることが前提とされるのです。

例えばどんなに立派な家を建てても、健全な環境がなければその家は住めなくなるかもしれないし、どんなにお金を持っていても、育たない食物はお金がいくらあっても買えないのです。健全な体、健全な環境を維持することこそが、私たち人間の最大の優先事項であり、全ての命の土台なのです。何よりも優先して、当たり前です。

だから皆さんも、今ある健康を噛み締めてください。もしないなら、取り戻すための努力を最優先してください。体でも、心でも、全ては健全な未来に繋がっていることを忘れずに!

 

Sources / References: 厚生労働省  / Harvard Health Publishing / Allianz Care / Glucose Revolution

Leave a comment

Please note, comments must be approved before they are published