急増加!エコ不安症
皆さんは、「エコ不安症」という言葉を聞いたことありますか?
北米では Eco Anxiety と呼ばれ、環境問題や気候変動に対する懸念から生じる心理的な不安や苦悩を感じる人が近年増加傾向にあります。
これは現在の地球が直面している環境の変化が、私たちの生活にも変化を及ぼしていることで生じる感情であり、これにより日常生活の中で苦しんでいる人が、今急増しているのです。
数週間前、地球の平均温度がそこに達するともう後戻りができなくなると言われていた「Point of No Return」の+2℃に、一時的に達していたことが報道されました。このニュースを耳にしてさらにエコ不安症が悪化した、または新たにエコ不安を感じるようになったという人も多いかもしれません。
日本では「エコ不安症なので休養が必要」と言われても、まだ「???」となる社会ではありますが、こうした感情は抑え込むのではなく、随所で対処していくことが大切となります。
地球の健康、私たち自身のメンタルヘルスのためにも、問題にきちんと向き合い、それに合ったアプローチをかけて行きましょう。
エコ不安症の主な原因
エコ不安症の主な原因として考えられるのは:
- テレビやインターネットに映し出される天災、それによる人間を含めた生態系への悪影響といった気候変動への懸念が増加すること
- ハリケーンや山火事など、大型の地球規模での環境危機的なイベントは不安をあおること
- 周囲で起こっているさまざまな気候変動に対して「何もできていない」という不十分な対応への不安を抱いている
などがあります。
エコ不安症の症状は?
エコ不安症の症状は実に幅広く、人それぞれです。
例えば、気候変動により繰り返される大型ハリケーンや洪水などの気象災害に何度も遭遇することで心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されるケースは非常に多くあります。
しかし、実際に上記のように物理的な被害に合わなくても、不安や恐怖を覚えることがあります。
- 挫折感
- 無力感
- 絶望感
などから感情コントロールが難しくなったり、睡眠障害や食欲不振などに陥るケースがあります。日常生活の中で良好な人間関係を保つことが難しくなり、1人で抱え込んだり自分を責めたりすることで、症状はさらに悪化していきます。
エコ不安症 対処法
(photo credit: Climate Creativity)
さて、こういった症状がある場合、自分がダメになってしまう前にきちんと対処することが大切です。体の不調と同じように、放置していても良くなることはあまりありません。
対処法として一番重要となるのが、情報のバランスを取るということです。
環境問題に関する情報はたくさんあって、取り入れることはとても大事ですが、あまり偏りすぎた情報ばかりではなく、ポジティブな面にも耳や目を傾けるようにします。それにより前向きな変化に気づくことで、未来にも希望が持てるようになります。
そのほかにも:
- 同じような懸念を抱えている人たちとコミュニケーションを取り、共感して不安を軽減させる
- 森林浴や散歩など、自然の中に身を置くことで精神的ストレスの緩和をする
- メディテーションやマインドフルネスの実践で穏やかな心理状態を取り戻す
- パワーシフトやダイベストメント、環境に配慮した消費の選択など、具体的に環境にとってポジティブな行動を起こす
- どうしても自分1人で解決できないほど辛い時は、心理療法士やカウンセラーなど専門家の助けを求める
など、多くの対処法があります。
エコ不安症と共に生きていく
これからの未来を考えると、必然的に多くの人が環境の変化や変わっていく地球環境に対して色々な感情を抱くことになります。
時には絶望的な映像を目にしたり、実際に体験することもあるかもしれません。それでも、この地球に生まれて、生きている限りさまざまな問題に直面しながらも、この変動を否定せずに受け入れ、立ち向かっていくことが大切です。
不安や心配な気持ちを、ポジティブなものに変換して、一緒に行動していきましょう!