ナチュラル素材を着よう!
関東ではお天気の悪い日が続いていますが、やっとこの時期らしい寒さも感じられるようになってきました。皆さんの住んでいる地域はどうですか?
私は今週、家族4人分の衣替えをしていて、あることに気づきました。
我が家の服は、冬服も夏服も、寝具に至るまで、基本的にコットン製が圧倒的に多いのです。特に強く意識しているわけではないのですが、服を選ぶ時に「肌触り」をとても重視しているのは確かで、子供たちも「ゴワゴワ」や「ガサガサ」を嫌うので、必然的に柔らかいコットンに落ち着くことが多いのです。
コットンといえば、綿産業が環境にもたらす莫大な被害は有名な話ですが、現在も世界中で最も使用されている「天然繊維」です。
今日は、天然とそうでない繊維の違いを学び、私が天然繊維を推す理由を、皆さんにシェアできたらと思います!
天然繊維と化学繊維
いきなりですが、問題です。下記のうち、「天然繊維」のものはどれでしょう?
- ポリエステル
- ナイロン
- アクリル
- レーヨン
- スパンデックス
正解は、、、
上記の中に、天然繊維のものはありません!(ひっかけ問題でした〜)
最近では竹繊維を織り交ぜたレーヨンや、木材パルプを使用したリヨセルなどがありますが、こちらもまた100%天然繊維ではありません。
天然繊維には、代表的に以下のようなものがあります:
- コットン(綿)
- シルク
- リネン(亜麻)
- ウール
- 麻(亜麻以外)
天然繊維は共通して通気性・吸湿性に優れていて、暑さ・寒さの両方を自然に調節できる特徴を持っています。
夏と冬の天然繊維
自然の温度調節力を兼ね備えている天然繊維ですが、暑い季節と寒い季節にそれぞれ適しているものがあります。
(写真はそれぞれ布地感の異なる100%コットンの衣類)
暑い夏であれば、いかに体温を下げ通気性を上げるか、また汗をかいた時の速乾性が重要となってきます。そんな時に適しているのは薄手のコットンやリネンです。
コットン100%でも生地の厚みや伸縮性が違うのは繊維の織り方や糸の細さに違いがあるからです。デニムのような地厚なものもあれば、薄手のTシャツもありますね。
リネンは特に軽量で通気性が抜群なので日本のような暑い夏にも適しています。リネンは亜麻ですが、現在はカザフスタンやロシアなどで多く栽培されていますが、日本(北海道)でも栽培され、コットンに比べると栽培方法もサスティナブルなものとなっています。
逆に冬は、できるだけ体温を下げないことで暖かさをキープできるため、保温性のあるウールが重宝します。ウールは天然の脱臭機能があるため、登山用の靴下や肌着などにメリノウールなどが使われるのも、こういった理由からです。数日間同じものを着用していても汗臭さなどが気にならないようにできています。
また高級なスカーフや着物などのイメージが多いシルクですが、こちらもまた古くから使われてきた万能な天然繊維です。薄くて光沢のあるシルクはブラウスなどの軽めのカットソーなどに使われることが多い一方、シルクは繊維の中で最も肌に優しいとされていて、経皮吸収の観点からも肌の一番近くに触れるものに活用されることが多いです。シルク素材の肌着やソックス、腹巻き、女性の下着なども「温活アイテム」として親しまれたりしています。
天然繊維は長持ち!
コットンやウールは生地の耐久性も非常に高いです。私のクローゼットには薄手のコットンTシャツですらもう5、6年着ているものもあり、首周りが少しくたっているものの、まだまだ着られそう。また、コットンやウールのものは、穴が空いたり、ほつれたり、破れた場合、ダーニングや当て布、縫製をして修復することができます。
これは、私がカナダに住んでいた時、手編みで作ってもらった100%ウール素材のカウチンセーター。もう15年ほど前のものですが、毎年冬に大活躍するアウターのひとつで、裏地も付いていないのに、中は薄手のロンT1枚で汗ばむほどあったかい!100%ウールは水で洗濯ができないので、シーズン終わりにはお湯で濡らしたタオルで拭いて丸一日天日干しをする、というお手入れをしています。
他にも「もうこれ何年目だろう」と思うような洋服は全て、天然繊維なんです。
もちろん私もダウンジャケットや雨具も持っているので、化学繊維を真っ向から否定するわけではありません。天然繊維には耐水性や防水性がないのでそういう時には化学繊維に頼ります。パタゴニアやアークテリクスのようなアウトドアアパレルに特化したブランドでは衣類の修理プログラムを積極的に取り入れているので、万が一壊れてしまった時も直してまた着ることが可能です。
自分が心地よい!と思えるものを身につけよう
最終的に自分が着ている服が埋立地に行ってしまった場合、を想定すると、天然繊維である方が、いずれは土に還ってくれるだろう、という考え方もできるし、とにかく自然界が持つ人間には作れない自然の機能性に優れている、ということ。
こういった点から、私はやっぱり優先的に天然素材の布でできた衣類を好んで選ぶし、それを身につけることがとても心地よく感じています。肌触りもよくて、肌への負担も最小限であること、などから、できるだけナチュラルな素材を身に付けたいな、と思うのです。
また、心地良さや耐久性を追求すると、やはり最終的にはより良いものを厳選する、というところに辿り着くので、過剰な消費もしなくなるし、自分の中で確立されたスタイルを保つこともできる。なんだかんだ、色々を Win-Win なのでは?!と自己満足しています。