バイオプラスチックはどうやって堆肥化するの?
こんにちは!
少し涼しくなって散歩が気持ちの良い季節になってきましたね。いつものように近所を散歩していたら、下の写真のようなゴミ溜まりに遭遇。
港なので、いつもどこか一角にゴミが溜まっているのですが、この日はなんと小さめの冷蔵庫の蓋のようなものがビート板のように浮いておりました。
ボロボロになる前に回収されるといいな、と思いながら一応近くにいた警備員さんに報告。他にもいつも通り大量のペットボトルも浮いていたのですが、そういえば最近はペットボトルも「バイオプラスチック製」のものが増えたな。。。
でも、実際に海に捨てられているバイオプラのボトルが勝手に生分解していくことはありえないし、、、そもそもバイオプラって捨てる時はどういう扱いなの?!リサイクルされるの???結局普通のプラと一緒に捨てるの????
と色々疑問が浮かび続けたので、調べてみてわかったことを皆さんにも共有しますね!
植物性プラスチックというキラキラネーム
バイオプラスチックについてか過去にも何度かブログで書いていて、その魅力的なネーミングこそがグリーンウォッシングだな、と思う点もあるのですが、せっかくなのでサクッとバイオプラのおさらいをします:
まず、バイオプラスチックには大きく分けて3パターンあります:
- バイオベースプラスチック ー 原材料が植物由来であるが、化学的には従来のプラスチックと同じであるもの
- バイオデグレーダブルプラスチック ー 環境条件下で生物学的に分解されるプラスチック
- バイオベース&&デグレーダブルなプラスチック ー 原材料が植物由来であり、かつ生物学的に分解されるもの
バイオプラスチックの多くはサトウキビやトウモロコシを原料としますが、こういった原料をプラスチック生産のために大量にようすることで大規模な農業が環境に与える影響も考慮する必要があります。
またご存知の通りバイオプラスチックが分解されるためには、特定の条件(温度、湿度、微生物など)が必要です。家庭用コンポストの環境では、ほとんどの場合分解が難しいとされています。
バイオプラスチックは、通常のバージンプラスチック製造に比べて石油資源の節約や、温室効果ガスの排出削減につながりますが、その利用と処理には慎重な検討が必要です。
バイオプラスチックのリサイクル
バイオプラスチックの中には、従来のプラスチックと同じように資源としてのリサイクルが可能なものもあります。しかし、全体的にみてもプラスチックのリサイクル率が非常に低い中で、バイオプラスチックのリサイクル率が高いことは現時点では望めず、地域によってもその成果は異なります。
また、ほとんどのバイオプラは特定の条件下でした生分解することが難しいため、最終的に埋め立て処分されることもあります。
バイオプラスチックだからと言って、リサイクル率が高いわけではなく、バイオプラスチックを原料としたものを破棄する際には消費者ひとりひとりの判断に委ねられていることも事実です。
バイオプラスチックが堆肥化するには?
(写真:いろいろな種類の業務用生ごみ処理機)
さて、バイオプラスチックが家庭用コンポストで堆肥することが難しいとなると、どうすればいいのでしょうか?
答えは「産業用コンポスト施設」にあります。
産業用のコンポスト施設では、バイオプラスチック(中でも中でもバイオデグレーダブル)が堆肥化するための条件をそろえた環境がある処理施設で地域によって設置場所や運営方法が異なります。
例としては下記のような施設があります:
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地方自治体の施設: 多くの自治体や市町村は、地域のごみ処理やリサイクルの一環として産業用コンポスト施設を運営しています。地元の自治体のウェブサイトやリサイクルガイドをチェックしてみましょう
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商業施設や農業団体: 一部の商業施設や農業団体も、自分たちの廃棄物を処理するためにコンポスト施設を持っていることがあります。これは共同利用堆肥化施設と呼ばれています。
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専門のコンポスト業者: 一部の企業や団体が、コンポスト処理を専門に行っていてこういった業者は、産業用や家庭用のコンポストサービスを提供していることがあります。
- 地域のリサイクルセンター: リサイクルセンターやエコセンターの一部では、コンポストサービスを提供している場合があります。こういった施設は、リサイクルや廃棄物処理に関する情報を提供していることが多いです。
(写真:福島県にある産業用コンポスト施設)
環境省が載せている産業用のコンポスト施設がある地域の一覧があります。このリストの中の「ごみ堆肥化施設」がコンポスト施設に値するのですが、残念ながら私が住んでいる神奈川県や首都圏には施設の設置が見つけられませんでした。
堆肥プラントのことが詳しく書いてあるポータルサイト「堆肥ぺディア」によると、共同利用堆肥化施設の赤字経営は、農協、市町村、公社が運営主体で、資本金が大きな施設で、逆に、黒字経営は、個人や法人が運営主体で、資本金が小さい施設だと書かれています。
共同利用堆肥化施設の設置や経営は、民間の小資本でも十分可能で、稼働率を上げることを重視すれば、ただ単に廃棄物の処分というだけでなく、採算の合うビジネスにもなり得るということです。国の助成システムなどを強化して、小資本の中小企業などが合わさってこういった施設を設置することが義務付けられるようになれば、少しはゴミ処理の現状も良くなるのではないかな、と感じています。
(写真:東急不動産の共同利用堆肥化施設の一例)
皆さんの住んでいる地域で、コンポスト処理があるよ〜という方は、ぜひ教えてくださいね!同じ地域に住む、まだ知らない人たちにもこういった情報が多く広がるといいです。
Happy Composting = Happy Earth!