プラントベースのミルクは、本当に環境に優しいの?

近年では牛肉の生産だけに止まらず、牛乳業がもたらす環境負荷や健康面での疑問なども増えてきています。それに合わせヴィーガン(菜食)を選び、こうした動物性の食事から離れるという選択も増えています。

環境負荷が大きく懸念される動物の家畜産業を少しでも緩和するために、植物性の「ミルク」がブームになってきています。スターバックスコーヒーやブルーボトルコーヒーなど、大手外資系コーヒーショップなどでも複数のプラントベースミルクを選べるようになっています。

プラントベースミルク=環境に優しい、そして栄養もある

こんなイメージが少し確立されてきたように感じますが、実際全てのプラントベースミルクが、本当に環境に優しくて、栄養素も備わっているのでしょうか?今日はそこを少し、深掘りしていきます!

プラントベースミルクの王者 ソイミルク

日本やアジアではかなり古くから主流の食として使われてきた大豆。この大豆を使ったソイミルクは、植物性ミルクとして最初に作られたとされていて、味の親しみやすさや牛乳に近い栄養価から多くの人に利用されています。現在ではアメリカの国土をかなり広くとって、主に動物たちの餌として大豆が生産されています。

大豆の栽培やソイミルク生産事に排出される温室効果ガスの量は、牛乳よりもはるかに低く、アーモンドミルクやピーミルクと同じくらいと言われています。使用する水量に関してはアーモンドミルクの10分の1程度ですみます。

しかし、近年増え続けるソイミルクの需要に追いつくためアメリカやカナダだけでなく、アマゾンの熱帯雨林周辺に大豆を育てるフィールドを作るため雨林の多くが破壊されているのも事実です。また、一度に大量にコストを下げて生産できるようRound Upなどの強い農薬に耐えられるよう初めから遺伝子組み換えをされた状態の大豆が多く生産されているのです。

ソイミルクはタンパク源も豊富で健康面では良いことがたくさんあります。選ぶ場合は、遺伝子組み換えでないことを前提に、その大豆がどこで育てられていて、オーガニックかどうかなども知ることが大事です。

とにかく水を使う アーモンドミルク

アーモンドミルクは、ナッツならではの香ばしさが際立ちコーヒーとの相性もとてもよく、アーモンドミルクを使用したラテなどはヴィーガンの人でなくても人気があります。しかしアーモンドのようなナッツ類は一般的に育てるときに大量の水を要します。

全世界で生産されるアーモンドのうち8割以上はアメリカ、カリフォルニア州で生産されています。中でも、プラントベースブームに乗ってこの5年でアーモンドミルクの売り上げは250%アップしています。この右肩上がりのデマンドは、大きく分けて2つの問題に直面しています。

一つは、アーモンドの栽培に欠かせないミツバチの酷使です。ミツバチがいなければ地球は破壊すると言われるほど、生命の存続のキーとなる存在のミツバチはアーモンドに対しても例外ではありません。しかし、必要以上に広範囲・長時間でミツバチを働かせたりすることで、農薬やその土地に住むダニなどの被害を受けやすくなったミツバチは、受粉の時期を過ぎたぐらいから大量死している、という報告が後を経ちません。アーモンドフィールドにミツバチを放っている養蜂者たちのなかには、ハチの大量死を前提としてアーモンド栽培をしている人も増えてきているのだそうです。

「ヴィーガン」だと信じて選んでいた選択肢が、実は大量のミツバチを犠牲にしていると知ると、本末転倒のような気がしますね。

二つ目は栽培時に要する水の量です。ナッツ類は一般的に育てる過程で非常に多くの水を使います。問題なのは、この多くが毎年乾燥と水不足が深刻化するカリフォルニアで育てられているということです。計算すると、一粒のアーモンドを育てるのに約12リットルもの水が使われているんです!

また、アーモンドは加工してミルクとなるまでにほとんどの栄養素が失われます。なので、後から人工的に追加されるビタミン類などを除けば、水を飲んでいると言っても過言ではないほど。好きな方は、アーモンドはミルクとしてでなく、ナッツとしてそのまま食べた方が良さそうですね。

 効率的なオーツミルク

オートミルクはプラントベースの中では比較的新しく生産者も少ないですが、スウェーデンの会社Oatlyは30年以上前からオートミルク一筋でここまできています。

オートミルクは牛乳に比べると、温室効果ガス排出量が2割ほどで、必要とされるエネルギーも4割ほどですむという統計が出ています。また、土地も 牛乳の2割ほどしか必要とせず、プラントベースのミルクの中でも水を最も必要としないミルクとされています。

栄養面でみても、群を抜いて水溶性食物繊維が豊富でアレルギーの原因となる食材を含まないため割とポジティブなことが多いのもオートミルクの特徴です。

しかし、オート麦は収穫の直前にグリホサートという有害な除草剤を使用するケースが多いため、こういった除草剤を使用していないオート麦、またはオーガニック栽培をされているものから作られたミルクを選ぶことが重要です。

プラントベースミルク、他にはどんなのがあるの?

飲み物よりも料理に使われることが多いココナッツミルクは、東南アジアなどの熱帯地域で栽培され、それによる森林伐採や現地の人々に対する過酷な低賃金労は長年問題視されています。その他には、お米から作られるライスミルク、黄色いエンドウ豆を原料とするピーミルク、医療などにも使われるヘンプミルクなどまだまだたくさんのプラントベースミルクがあります。日本では手に入れることのできないものも多いですが、これからの時代に合わせたニーズとともに改善されることが期待されます。

どのプラントベースミルクをとっても、もちろんそれぞれに利点と欠点があり、なかなか「これが1番!」ということは決められません。確実に一つ言えるのは、全てのミルクの生産過程において少なからずとも環境負荷は掛かってしまう。となると、原料を自分で調達し、ミキサーを使って簡単に家でDIYするのが一番理にかなっているのかもしれませんね!

 

ブログ内のデータ・リサーチ参考記事:

https://www.ediblebrooklyn.com/2020/plant-milks-sustainability/

https://us.oatly.com/

https://www.theguardian.com/environment/2020/jan/07/honeybees-deaths-almonds-hives-aoe

プラントベースミルクの環境や健康面に関する統計は、いずれもまだ日が浅く今後さまざまなことが変化していくことが予測されています。あくまでも参考までに、複数機関が実施した統計データを利用して記事を執筆しています。

 

 

 

 

2件のコメント

  • 普段は豆乳を愛飲していて、まだ手作りには挑戦したことありません。それぞれのプラントベースミルクのメリット、デメリットについて、大変勉強になりました。手作りする際には、その原料がオーガニックなのか、どこで栽培されたものなのかなど、自分でよく確認して商品を選ぶ責任があると感じました。

    maronsa
  • プラントベースミルクについて詳しく知ることができました!先日有機オーツを使ってオーツミルクを作ったんですが、思ったより簡単に美味しくできたので必要なときに飲める量だけ手作りするのが良いなと感じました!

    RIMI

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