サスティナブルホテルのウソ・ホント

こんにちは!エリです。

世間は俗に言う「シルバーウィーク」真っ只中ですね!大型連休、いよいよ海外への旅行に踏み出した方も多いのではないでしょうか。

連休が終わっても、紅葉巡りにハロウィン、クリスマス、年末年始と何かと行事続きの下半期になっていきます。

そんな秋冬シーズン、サクッと国内旅行を企画する時、私は少しでも旅行にサスティナブルな何かを取り入れられたらと思いながら宿探しをしたりします。楽しい旅行をいかにエコに過ごせるかで、旅行やレジャーのあり方もどんどん変わっていくことができますよね。

今日は、私の個人的な体験から「サスティナブル」を謳うホテルを選ぶ時に気を付けたいこと、誰もができる宿泊先での簡単な意識チェンジ、そして本当におすすめしたいホテルも紹介していきたいと思います!

 

【ホテルの "環境に配慮した取り組み" の裏側】

写真:箱根湯本温泉 ホテル仙景のゼロウェイストアメニティ

最近はどのホテルに宿泊しても、「未来を守るために、、、」

  • リネンは毎回交換しません
  • アメニティを詰め替え用にしています
  • トイレットペーパーを最後まで使い切ってください
  • 空調の設定温度にご協力ください

などの記載をよく目にします。今でこそ当たり前のように感じますが、実はこの方針が日本国内でメジャーに広まったのはほんの数年前のことです。

20年前に初めてオーストラリアを訪れた時、宿泊したホテルの部屋に「私たちの美しい国を資源を守るために、最小限の贅沢をお楽しみください」という記載があり、タオルやリネンの交換についてや、アメニティのこと、さらには節水のことなどが説明されていて、当時10代の私はものすごい衝撃を受けたのです。

「日本も絶対に真似するべき!」と思い帰国後観光局のようなところに熱い手紙を書いたのも覚えています。誰か、読んでくれたかな(笑)

日本のホテルでは特に、サスティナビリティを押し出す方針と上質なカスタマーサービスの狭間で、いまいちステップアップできずにいると感じることも多いですね。

もちろん何もしないよりも、ひとつでも実践していることがとても大切なのですが、例えばリネンやタオルの交換。洗う頻度が減ることは節水に繋がるかもしれないが、洗濯に使用される洗剤、ブリーチ、柔軟剤の安全性はどうだろう。

シャンプー、リンス、ボディソープは詰め替えのようだけど、歯ブラシやヘアブラシ、カミソリにシャワーキャップは変わらず使い捨てではないだろうか。

トイレットペーパーをそもそも最後まで使い切らないことをカスタマーサービスの一環としている概念も、空調にさえ一言添えないといけない状況も、何か違和感を感じるのは私だけでしょうか。

ホテルが本当に地球環境保全を考えていたら、宿泊客に見えないところでも可能な限り実践していてほしいのです。

 

【使い捨てないからこそ、贅沢】

「高いお金を払っているから」「ホテルとはそう言うものだから」という宿泊客の期待や概念が、必要以上に存在していることも問題視すべきです。提供する側ができることがあれば、提供される側ができることも、もちろんあります。

写真:minimal living tokyo.で取り扱うゼロウェイストアメニティの例

 

昭和の高度経済成長期をバリバリ生き抜いてきた私の母も、ホテルに対する信頼度が圧倒的で、何かにつけて「ホテルなら大丈夫でしょう」と言って利用しています。非日常を味わう、美味しい食事をする、至れり尽くせりのサービスを受ける。これを嫌う人はあまりいないとは思うが、人々がホテルを利用する際に求める「贅沢」の意味は、時代の変化とともに変わる必要があります。

高級な空間であればあるほど、一度触れられたものは未使用でも破棄されていたり、繰り返し使えるものも使い捨てとされていたり。フードロス分の料金まで加算されたビュッフェなども、本当に必要のない、全くもって無駄な贅沢なのです。

心地よい、優雅な時間を過ごす裏で、まだ使える資源が大量に破棄されている現状。そんなことを考えていると、開放的なロビーも、美味しいワインも、真っ新なシーツも、環境保全どころか破壊に一石を投じている気持ちになってしまうのです。

「あ、これ使わなかったら捨てられちゃうだろうな」とわかるものは、出される前に断る、ということを念頭に置いてください。普段使わないものは、別にホテルにいても使わないものです。バケーションモード全開でも、エコモードはONのままでいましょうね!

 

【柔軟性のあるホテルかどうかを測るものさし】

どこへ行くにも必ずマイボトルを持参していますが、ホテルに宿泊するときもそれは変わりません。中身がなくなった時にホテルスタッフに尋ねます。

写真:ソラノホテルのリフィル式ウォーターボトル

『すいません、これにお水を入れていただけますか?』

よくある回答集 リフィルNGバージョン

  • 衛生的観点からできかねます。
  • ペットボトルのお水をお持ちいたします、無料なので大丈夫ですよ!
  • 少々お待ちください、と言って5人くらいの違うスタッフに確認して10分くらい待ってから、申し訳ございません、できかねます。(え!?!?)

よくある回答集 リフィルOKバージョン

  • 水道水でも大丈夫ですか?
  • 氷は入れますか?
  • 素敵なボトルですね!(えー、優しすぎ!と感動する)

このリフィルできるかどうかの質問、日本のホテルではまだあまり聞く人が少ないのだろうな、と感じます。

ここで大きく違うのは、北米などのホテルだと断られることはまずないということ。あわよくば家族全員分のボトルのリフィルを頼むと巨大なジャグで持ってきて「自分で入れて〜」なんていうことも。海外では大抵のことは自己責任。その水で万が一お腹を壊そうが、ボトルが洗われてなかろうが、それは個人の責任であくまでもホテル側は関係のないこと。

これは水筒一つに関することだけでなく、「この歯ブラシ使わなかったから返すね。」「OK、ありがとう!」という会話や、「余ったコーヒー、自分のタンブラーに入れてもいい?」「もちろん!量追加する?」なんていう会話が、当たり前のようにできるくらい、いい意味でリラックスした関係性が成り立っています。

周りの目を気にして、「万が一の失態」を全力で避ける慎重派の日本にとっては、このアクションでさえまだまだ壁が高いのです。

たかがリフィル、されどリフィル。

快くお水を入れてもらうと、なんとなく「あのホテルよかったね」となる、単純な私の、あくまでも個人的なものさしです(笑)。

 

【ガッカリしないサスティナブルホテル5選】

これから紹介するのは、まさにそのリフィルに対するストレスやその他の小さな「エコだからこその心配事」を感じずに済むホテルです。

大半の場所は私も実際に訪れたことがあるので、ギャランティーできます!

① 暮らすように泊まる【ALL DAY PLACE SHIBUYA

写真:ALL DAY PLACE インスタグラムより、サスティナブルなアメニティ用品は宿泊していなくても購入が可能

サスティナブルコミュニティの中では利用している人も多い今年4月オープンの新しいホテル。銀座のMUJI HOTELなども手掛けるUDXグループが渋谷駅徒歩1分の好立地に開業したコミュニティホテルで、宿泊しなくても全てのジェネレーションがゆったりくつろげる場所になっています。MiYO Organic のゼロウェイストアメニティを取り入れるほか、ホテル主催で渋谷の街のゴミ拾いイベントなどを行っています。

 

② すべては Well Being のために【SORANO HOTEL

写真:ホテルの部屋で昼寝中の息子。小さな子供にも本当にフレンドリー

昭和記念公園の目の前に立つこのホテルは、ルーフトップのインフィニティプールが空と緑の境界線にあり、東京とは思えない開放感があります。お部屋の冷蔵庫にあるお水はおしゃれなピッチャーに入ったリフィル式。館内の至る所で給水が可能。レストランで使用するのは地元食材であるのはもちろん、野菜が育つための土づくりからこだわる循環性を重視した本当に質の良い食事ができます。

 

③ 京都の真ん中で循環する【GOOD NATURE HOTEL

写真:ルームキーは木製、もちろん再利用できるカードタイプ。

廃棄物のアップサイクルやコンポストを実践する大型ホテル。建物の木材や植物、香りにもこだわった何度も訪れたくなるこのホテルは、アメニティは全て有料。地球環境に配慮したライフスタイル体験型ホテルとして、幾つもの認証も取得しています。目に見えないところにもサスティナビリティが取り入れられ、それらを教えてもらえるホテルツアーもおすすめです!

 

④ サスティナブルプランが選べる【ホテル仙景 箱根湯本

写真:リニューアルしたばかりの露天風呂からは箱根の山々が一望できる

箱根湯本でも指折りの老舗温泉旅館で、広大な敷地に緑濃い日本庭園が広がり離れ宿や貸切露天風呂が大人気のホテル仙景。なんと旅館の女将自ら、SDGsファシリテーターの資格をとりサスティナブル宿泊プランを発案するほどの環境活動家。館内でも定期的に事業者向けのセミナーなどを開催し、今後のホテルの取り組みも期待できそうです。

 

⑤ ゼロウェイストの最高峰【WHY Kamikatsu

写真:上勝町ゼロウィエストセンターインスタグラムより、アップサイクルされたウィンドウフレームがおしゃれな客室

ゼロウェイストタウンとしてその名を世界に馳せた「徳島県上勝町」。サスティナブルな生活スタイルを実践している人なら一度は訪れてみたいと思う、いわばゼロウェイストの「聖地」のような存在。WHYはゼロウェイストアクションホテルとして、日々の消費と行動に疑問を持ち、そこから何かを変えていくことを目的としています。宿泊した人には新たな気づきが生まれるはずです。

-  -  -  -  -  -  

実はここで紹介しているホテルは「サスティナブルなホテル」と検索してもあまりヒットしてこないものばかりです。

大手ホテル会社や外資系ホテルが、サスティナブルやSDGsをアピールした内容をメジャーに発信しているため、サスティナブルを追求して、本当に私たちや地球のことを思った内容をオファーしているホテルが見つけにくくなってしまっています。

現実は、実際に宿泊してみないとわかならいことがたくさんあります。だからこそ知ってほしかった!チャンスがあれば、ぜひ訪れてほしい!

これから先も旅を楽しむために、楽しみ方に変化を求めていきましょう!

 

コメントを残す

コメントは表示される前に承認される必要があります。