《新トランプ政権》どうなる地球?!
大接戦の末、終わりを迎えたアメリカ合衆国の大統領選挙。
日本経済にも直に影響してくるので、今回の大統領選は日本でもかなり報道されていましたね。今回はドナルド・トランプが2度目の大統領選挙当選となったことで、アメリカはすでに大きく動き始めています。
私は今回の選挙では民主党のカマラ・ハリスを推していました。
カマラさんが格別にいいから!というわけではなく、2人の候補者を比べたときに、どちらの方が先のことを見据えているかな、という天秤にかけた上でのこと。日本の衆院選もそうでしたが、立候補者の中から自分的にいい!と思える人を選ぶのではなく、この人だったらまだマシかな、、、という消去法になっていることが残念ではありますが、仕方ありません。
トランプ大統領に関して言えば、公の場で大声で人の悪口や失態を話す、非難ばかりして実際の政策について触れない、女性に対する発言で物議を醸すなど、その往生際の悪い態度がかなり批判されていましたが、それでもアメリカ国民の多くは、彼を次期大統領として当選させたのです。
トランプ政権になると今まで成り立ってきた多くのことが変わっていく可能性があります。私が一番懸念しているのは、環境対策について。
なぜならトランプは過去に、「地球温暖化は詐欺」と言い放ったことでも有名なほど、環境対策に対して非常に否定的な立場にいます。彼がどれほど否定的な立場にいるか、前回のトランプ政権から5つのポイントを挙げてみます。
トランプ政権 x 環境制作
1. パリ協定離脱
2017年、最初のトランプ政権では就任後すぐにパリ協定から離脱しました。国際的な温室効果ガスの排出削減目標を定めてきましたが、この協定から離脱することで、アメリカは気候変動対策のリーダーシップを放棄、国際的な協力体制をとることができなくなりました。今回の再当選を受け、再び離脱を主張する可能性が高いと言われています。
2. さまざまな環境規制の緩和
トランプ政権は、オバマ政権が提案したCPP(クリーンパワープラン)を撤回。これにより石炭火力発電書の排出基準が緩和されました。また、車両の燃費排出基準を引き下げ、自動車メーカーの環境基準を達成するためのコストを軽減、石油や天然ガス産業への規制も緩和させました。水質や大気の汚染に関する規制が厳格さを失い、野放し状態に。企業の競争率回復にはつながったものの、環境への悪影響は計り知れません。
3. 環境保護庁の弱体化
EPA(環境保護庁)の予算は削減され、規制は緩和。環境保護への取り組みが著しく後退しました。これにより環境調査や規制の執行をする職員は減り、環境保護活動にも制限がかかりました。また、汚染物質規制も緩和され、毒性化学物質(アスベストスなど)や有害物質の使用・排出基準が緩和されました。また、環境保護庁の長官として石油業界などに精通する人材を任命したことも知られています。
4. 化石燃料の推進、再エネ抑制
トランプ政権は言わずと知れたアンチ脱炭素。温暖化の影響で海面上昇が深刻化するアラスカの北極圏での石油採掘を許可したり、環境に最悪な影響を及ぼすと言われているパイプラインの建設を推進させました。再生可能エネルギー企業への支援を減らし。石炭業界や原子力エネルギー企業を優遇する政策を作ったのです。
5. 自然保護対策の後退
トランプ政権は公共の土地や自然保護区域の保護を弱め、開発や採掘を推進。ユタ州のグランドステアケース・エスカランテ国立記念公園の規模を縮小、保護されていた天然の土地は減少しました。トランプ政権は多くの国立公園などに対して、同じような規模縮小を見計らっています。
次の4年はどうなる
このように環境対策に関して、かなり逆風を吹かせているトランプ政権。私たち地球LOVERからすると、彼の話を聞いているだけで身の毛もよだつような思いですよね。しかし、この対策の矢印をトランプ政権ではなく、自分たちが住んでいる日本に向けてみてください。
日本は先進国の中で最も環境対策について消極的と言われ、掲げている目標も低く、その目標すら達成できないのではと言われています。COP開催期間中に行われる気候行動ネットワークのアワードでは、4年連続で「化石賞」を受賞するなど、環境対策に関する消極的な取り組みが世界的にも指摘されています。
来週11日から10日間、アゼルバイジャンで開催される29回目のCOP。
新トランプ政権がどのような動きに出るかも注目されますが、私たちはまず、自分たちが住む日本の動きを大きく変えられるように行動を起こさないといけません。そのために選挙がある。選挙にいくために、日々自分から情報を集めに行く。価値のある情報を得るために選択をする。
アメリカ先住民の言葉で「今の私たちの環境は7世代前から影響を受けている。逆に、今私たちがとる行動が7世代後まで影響する」というような言い回しを聞いたことがあります。
だから適当に物事を選んではいけない。目先の利益を、5年後の経済回復だけを求めて動いてはいけない。20年後、50年後、100年後、持続できる環境のためにどうシフトしていくべきか。過去の成功例から離脱し、全く新しい方法を生み出していくリスク、変わり続ける環境に順応していく力、そしてすぐに出ない結果を待つ、というペイシェンスが今とても必要。
これらを実現させるために、声を上げることをためらわないでください。どんな場所でも、どんな小さな声でもいいから、声を上げ続けましょう。子供達には、当たり前に歳をとっていって欲しいから。