気候変動を土壌でファイト!
土を大切にすることによって、直接気候変動の問題に向き合える?
今日は私が大好きなトピックの「土壌」について書いてみました。
近年、世界的に土壌の健康状態が懸念される傾向にあります。過度な耕作や土地の不適切な管理、農薬や化学肥料の過剰使用による微生物への悪影響。これらの要因により、土壌の健康状態が低下し、農業の持続性や生態系の安定性が脅かされています。
この土壌の健康状態が、どうして気候変動につながっているか、ご存知ですか?私も18歳の頃に、大学で農業学を勉強して、土壌の重要な役割を知ったのがこのゼロウェイストライフのきっかけになりました!
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私は環境問題というより、もともと自分の体や健康に関して興味を持っていて、農業学を通して食品科学の勉強をしていました。食べ物の勉強をすることで、大学の畑でボランティアをしたり、地元の農家さんの観察や勉強をして、たくさんの機会に渡り最終的には「土」の勉強を重ねました。そこで気づいたのが、土が健康でなければ、人体も健康な状態を維持できないということ。そして「ゴミ」として土に吸収されていくものはいずれ人間も体の中へも吸収されていくこと。
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プラスチックをなるべく使わない、ゴミも最小限に、と心がけ、出てしまうのであればなるべく自然由来のもので、土・海へ流れて行っても地球への害を与えないようなものにする。これが私自身のゼロウェイストライフへの道となりました。
土は地球最大の空気清浄機?!
土壌の健康が気候変動に対して大事な一番の理由は、大気中の二酸化炭素を吸収し貯蔵する能力があるからです。植物は光合成によって二酸化炭素を吸収し、一部を有機物として土壌に移すことができます。この有機物は土壌中に長期間、数十年から数百年間貯蔵され、大気中の二酸化炭素の量を減少させることで、気候変動の緩和につながっていくのです!
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その他にも、湿地や水田からの温室効果ガスの排出を抑えたり、水保持能力を持つことにより土壌の浸食、水流、洪水などのリスクが低減されるなど、気候変動の影響を緩和させる地球の大事なメカニズムの一つでもあるのです。元気で健康な土壌を作るというのが、気候変動の大きな問題を解く鍵になるのかもしれません。
数字で見てみると、すごいことに土壌が年間で吸収する二酸化炭素の量は なんと20-75ギガトン(推定)!!それに比べて海が年間に吸収する二酸化炭素の量は2.5-3 ギガトン(推定)。(ちなみに日本が排出する年間の二酸化炭素の量は 1.2-1.3 ギガトン(2021年データ)で、排出量は世界5位)。なので土壌は世界一の二酸化炭素の吸収源なのです!土壌を健康にしてあげることは、地球にとっても、私たちにとっても本当に大事なのです。
レジェネラティブファーミング、知ってる?
そんな土壌づくりに力を入れるのが再生農業法。生産性や効率性を重視する一般の農業法と違い、再生農業(Regenerative Farming)とは、持続可能な農業の一形態であり、土壌や生態系の回復・再生に焦点を当てたアプローチです。再生農業は従来の産業農業の慣行に頼らず、土壌の健康を改善し、生態系の多様性を促進することを目指します。堆肥、腐葉土、緑肥などの有機物の追加などをし、土壌の栄養価を向上させ、多様な作物の栽培や輪作を通して微生物の活性化を促進します。
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これにより、土壌の栄養バランスの改善、害虫や病気のリスクの低減、化学肥料や農薬の使用を最小限に抑えることもでき、それに伴う温室効果ガスの排出を削減することもできます!再生農業に取り組む農家さんたちから直接お野菜などを買うことにより、私たちもこのような土壌づくりをサポートできます。地元の直売店や、オーガニック野菜、お肉だったらグラスフェッドを選んだりすることで、土壌の健康を私たちも優先することができます。
おうち de 土壌作り!
農業以外に、土壌づくりに貢献できるのでしょうか?
答えはもちろん、YES!
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その方法の一つとしては、コンポストをすること!家庭で生ごみや植物くずなどの有機廃棄物を堆肥化することで、自家製の堆肥を作り、庭や植木鉢などの土壌に有機物を供給し、自分の家の土壌の健康状態を改善することができます。
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私も都内のアパート暮らしで、ベランダも大きくありませんが、コンポストをして7年間!小さなスペースを使って野菜やハーブなどを育ててます。その他にも、地域の緑化活動や植樹イベントに参加したり、家庭でもゼロウェイストや環境に優しい選択をすることで、二酸化炭素をどんどん吸収してくれる土壌を作り上げていきましょう!
みんなで土壌を元気にして、一緒に気候変動をファイトしよう!