「エコ」ストローに潜む、危険な陰
エコストローは、実は危険?!
今年8月、ベルギーの研究者たちは、スーパーマーケット、小売店、ファーストフード店に置かれている「エコフレンドリー」なストローにとあるテストしてみました。そして、さまざまなテストの結果、一見無害でエコなはずの紙ストローの中に、いわゆる「永遠の化学物質」と呼ばれるものが隠れていることが判明しました!
そもそも紙も木材から作られる貴重な資源ですから、「紙だからエコ」という考えについて、私たちも見直さなくてはいけないかもしれません。
この「永遠の化学物質」とはPFAS(パーフルオロアルキル化合物)で、化学物質の世界のスーパースター的存在です。シミ、油、水に耐性があり、非常に多くの日用品づくりに使われています。PFASは、空気、水、土壌で半永久的に残るため、別名「永遠の化学物質」として知られています。食品の包装、化粧品、カーペットやソファなど、実にさまざまなところで見つかります。
ストローの材質別に実験、気になる結果は・・・
研究者たちは、紙、竹、ガラス、ステンレス鋼、プラスチック製のブランドのストローを使用して実験をしたところ、39社中27社の商品に微量のPFASが検出されました。
この研究で試験されたストローの中で、紙製のストローは最もPFASを含む可能性が高く、紙製ストローの会社の中で20社中18社で検出されました。竹製ストローのうち5社中4社がPFASを含んでおり、プラスチックストローのうち4社中3社、ガラスストローのうち5社中2社も含まれていました。ステンレス鋼のストローは全てPFASフリーでした。
PFASの人体への影響は、低出生体重、高コレステロール、甲状腺疾患、腎臓や肝臓のがんのリスクの増加に関連する可能性がありますが、これらの健康リスクについての研究は進行中であり、どの程度が問題とされるかはまだ確定されていません。
一体なぜ、PFASが紙ストローなどに混入しているのでしょうか?
それが意図的ではなく、製造過程で入り込んでしまうものなのか、また竹のストローの場合は汚染された土壌で育てられている可能性もあり得ると考えられています。また、ストロー製造業者が自社製品でこれらの化学物質の混入をチェックしていない可能性もあると示唆しています。
問題はストローだけにとどまらない!
さて、今回このような実験でPFAS混入の結果が出ましたが、もはやこの問題はストローだけにとどまることではないようです。PFASは体内に蓄積される可能性があるため、人体と触れることを最小限に抑えることが賢明ですが、それは1本のストローを避けたところで良くなるものでもありませんね。
今回のストロー実験から得られる教訓があるとすれば、それはPFASという物質についてよく知るということ。普段自分の身の回りにどのくらい存在しているか、調べてみるのもいいでしょう。
また、自宅でストローを使うのであればステンレス鋼を選ぶこともできますが、ストローを全く使わないという選択肢もありです!「エコ」と言われるものでも、結局は使い捨てとなる場合、ストローは環境汚染の一部に過ぎません。
たかがストロー、されどストロー。使い捨てプラスチックでない選択肢を増やすためにも、まだまだ意識を向けられるところがたくさんあります!
参照記事:記事:Paper and bamboo straws contain PFAS chemicals more often than plastic straws do, study finds" source: CNBC 訳