プラスチックフリー子育て、どこまでできる?! - Raising Plastic Free Babies -

子供が産まれると、今までの自分の価値観が180度覆されるといっても過言ではないくらい、あれよあれよと多くのことが変化していきます。

何よりも面白いのが、子供の成長があまりにも急速なだけにその変化も止まるところ知らず!生まれてからずっと、毎日、毎時間、何かに驚かされ続けることです。

私は子供はとても欲しかったけど、特に育児を心待ちにしていたタイプの人間ではないので、子育てに関してはとにかく楽をしたいと常に思っているし、「〜でなければならない」という子育てフレーズはできるだけ避けて生きてきています。

でも、「楽したい」と思う子育てには、「便利なプラスチック」がまとわりつくことが大半で、私の短い子育て歴の中で、これは圧倒的ナンバーワンの葛藤ともいえます。楽はしたい、でも環境に悪いことをしたくない。結果として自分の選択ひとつ一つが子供たちの未来を左右するのですから。

今日は、子育て真っ只中の私が編み出した、できる限りのプラスチックフリー子育て法をいくつか紹介していきます。

THE オムツ問題

Photo: 生後4ヶ月の娘の愛おしい布おむつ姿

生まれた瞬間から突きつけられるこの問題。場合によっては出産という大仕事を終えて、待望の我が子を抱くときにはすでにオムツをはいていたりします。生まれて数分経たない我が子のお尻には、すでにプラスチックが付着しているのです!

赤ちゃんは通常、2歳になるまでの間に約6000枚の紙おむつを使用し、これはおよそ1トンのゴミに値すると言われています。生まれてからたった2年で、一生かかっても分解できないほどのゴミを出してしまっているんです。これはもちろん赤ちゃんのせいではないけれど、おぞましい数字です。

使い捨ての紙おむつを使わないとなると、残される選択肢は

  • おむつなし育児(EC)
  • 布おむつ
  • 石油由来吸収剤不使用の紙おむつ(日本ではあまり買えない!)

世の中にはECや布おむつを難なくこなし、簡単〜!と言っているスーパーママたちがたくさんいます。本音を言うと、「みんななんでこんな簡単にこなせるんだろう」と思うこともしばしば。実の母親にも「あなたは布おむつだったし、1歳半でおむつ取れてたわよ。何がそんなに大変なの?」とサラッと言われたこともありました笑。特に2人目が生まれてからは、朝から晩までお世話に追われて、とてもじゃないけどおまるでコミュニケーションを取る余裕は、私にはない!と思っていました。育児にはRIGHT OR WRONGがないのがほとんどで、ママがストレスフリーなことが一番大切。なので、ECも布おむつも紙おむつも、全部混ぜて利用して自分に合ったバランスを生み出すのが一番効果的です。布おむつじゃないからって悪いママではありません。1日に1枚、紙から布に変えてみる、それだけでも最終的には大きなゴミの削減にも繋がります。

Photo: 上の子の初おまるウンチは生後5ヶ月でした。キャッチできるときの快感といったら!

”環境に配慮した紙おむつ”とはいえ、素材にプラスチックが混合しているのは止むを得ない事実。子供たちがオムツにお世話になる期間を短くする=トイトレを早めに!と言うのも一つの解決に向けたアプローチですね。

今は、100%コンポスト可能な紙おむつの開発が進んでいるみたい!排泄物を含んだオムツをどうコンポストさせるのかはとても興味深いところ。個人的には3年前に欲しかったけど(笑)、でも紙おむつのゴミが解決される日はそう遠くないですね!

 

 離乳食 便利グッズの罠

生後半年が過ぎると、そろそろ離乳食始めようかなという時期。日本は特に離乳食に関する製品が豊富で、うっかりお店に入ろうものなら、その種類の多さに目が眩むほど。すでに調理された離乳食だけでなく、一食分ずつ小分けされた調味料やスナック類、保存用の小分けパックなど、とにかくプラスチック製小分けの製品のオンパレードです。

食器やカップ、持ち運び用の水筒などにおいても主流はプラスチック製のもの。「BPAフリー・赤ちゃんに安心」などと書かれています。子供が落としたり投げたりしても割れないことが最大のメリットで、扱いやすく低コスト。だから壊れてもまた買えばいいから大丈夫。でもこれって、負のループですね。

オムツ問題に比べると、かなり簡単にプラスチックフリーにすることができるのが、このステージ。子供にも安心で、丈夫で長持ちし、廃棄時の環境負荷も少ないプラスチック製でないものが選択肢としてたくさんあります。

  • 竹製の食器 - プラスチックに近い扱いができる。落としても割れず、子供も持ちやすい軽量なものが多い。
  • ステンレス製 - 持ち運びに特に便利。プラスチックと違い食材の匂いや色移りが一切なく、食洗機にも対応!竹と同様、かなり軽量なのも便利。
  • ガラス製 - 割られたら大変だし、、、と思う前に試しに使ってみて下さい。意外と投げない!割らない!壊れない!小さいうちからガラス製に触れていることで、外食時も安心してガラスの取り皿などを使えます。ガラスは食料を冷凍保存するときにも特に便利。冷凍焼けしにくく、湯煎やオーブン加熱が可能なものが多いです。

ちなみに子供のスナック類も個包装がすごいですね。我が家のスナックは基本的に野菜とフルーツですが、友達が食べているものを欲しがる時ももちろんあります。時間のある時は、クッキーやグラノーラバーを作りだめしておきます。ドライフルーツやナッツ類は量り売りショップを利用してできるだけバルク買い。それらのスナックを家にあるミニスタッシャーやステンレス容器に入れて出かけるときに子供のバックパックに入れたりしています。自分のバッグにスナックが入っているというだけでウキウキ状態なので、個包装の市販のスナックはあまり買わずにすんでいます。

外食でプラスチックフリー

Photo: 娘が自分でビーチで拾ってきたプラスチックストロー

子連れでレストランに行くと、どこのお店もとても丁寧に子供用の食器いやカトラリー、カップを用意してくれますね。プラスチックのカップに氷が入っていない常温のお水を入れてくれて、それに短いプラスチックストローが刺さってる!っていうシーン、よくありませんか?注文するドリンクに対してストローなしにして下さい、と言うのはとても簡単ですが、このお水のストロー。私もまだまだ忘れがちで、席に座ってメニューを出される前に言わないといけないのが意外と難しい!行き慣れたお店ならまだしも、初めていくお店だと、まずそこがプラスチックストローを子供用の水に使用しているかどうかもわからないわけです。

なので、超最短でそれを伝えようとしても「すいません、子供用のお水を出していただく場合ストローなしでお願いできますか?」といきなり聞く感じになります笑。いきなりでお店の方も戸惑ってしまうので、最近は「子供用のお水はなしで結構です」と最初に断っています。子供たちは常に水筒を持っているので、それでいいんですよね。そして、大体のレストランはもちろん給水スポット的な役割もしてくれるので、レストランを出る前に水筒をリフィルしてもらったりしています。

 

ラスチックおもちゃ天国!

子供の年齢が2歳近くなると、個人差はあるもののだいぶ自我が芽生え、言葉で意思疎通をすることが可能になってきます。そうするとまず子供は「NO」なことと「WANT」なことを確実に伝えることができるようになり、そのさきに待っているのがプラスチックおもちゃ天国なのです!

親が与えるおもちゃをコントロール出来ている間は家の中も割と片付けられ「オモチャ箱」なんていうかわいいスペースで収まっていても、子供が誕生日やクリスマスを理解し始める頃には自分の欲しいものがもちろんあって、親として喜ぶ顔が見たいのと、プラスチックのおもちゃを買い与える恐怖との葛藤がものすごくなるわけです。

Photo: 上の子が1歳の頃のおもちゃ箱。結局遊ぶものは、おもちゃではなくリモコンやお弁当箱の蓋、、、笑

我が家でも色々と試行錯誤して、おもちゃ事情は今こんな感じに至っています。

  1. 中古で探す - Mercariやジモティを駆使して、欲しがっているものの中古品を購入します。「バージンプラスチック」への貢献をせずにすむし、中古品が捨てられずにすみます。誰かのゴミは誰かの宝、ってまさにThrift(中古)の醍醐味ですね。
  2. 拾ったものをいただく - 我が家の子供達は歩き始める前からビーチクリーンに連れて行っていました。海岸に落ちているゴミの中にはかなりの頻度でお宝もあります。日光を浴びて劣化した砂遊び道具や、謎のミニフィギュア。もちろんシーグラスも。長女の砂遊びセットは全部ビーチクリーンでゲットしたのもほんとの話。サーファーのビーチサンダルだけは間違えて持ち帰らないように!
  3. 自分を最終破棄の場所としない - どんなに徹底していても、新品を手に入れざるを得ないことももちろんあります。おじいちゃんおばあちゃんにとっては孫のために何かを買うことが楽しみでもあるし、子供だってプレゼントをもらう楽しみは十分理解しています。おもちゃだけでなく洋服なども含め、長く大切に使えるものを選んで、「お下がり」できるようにします。我が家もたくさんのお下がりをいただいていて、それをさらに回していくのも楽しみです。Hand-me-down(お下がり)には、新品にはない暖かさと誰かを思い出せる良い時間がたくさん込められているのも良いところです。

おもちゃを持つことが悪いわけではもちろんないし、知育玩具を通してたくさんのことを学べます。でも同時に、幼少期に多くのおもちゃに囲まれて育った子供と、限られたおもちゃで育った子供を比べてみると、限られたおもちゃで育った子供の方が集中力や想像力、創造性に長けるという統計もあります。時間をかけて吟味して選ぶことが大事ですね。

 

アクティビティもプラスチックフリーに

クラフト(工作)は子供の想像力と脳の発達にとても良いとされています。子供は本当にクリエイティビティの塊で、キャンバスが大きければ大きいほど自由に創造していきます。我が子もクラフトタイムが大好きなので、色々やらせてあげたいのですが、素材の調達、、、となると子供が喜びそうなカラフルなものやキラキラしたグリッターという名のマイクロプラスチックが!!!それらを手に入れなくても十分にクラフトタイムを楽しめるプラスチックフリーアイテムをいくつかリストアップします。

  • 素材を拾いに外へ出よう - 一歩外に出れば石ころはもちろん、四季折々の草木や花がたくさんあります。花では押し花や色水も作れます。秋から冬にかけては、子供たちに不動の人気を誇るどんぐりもたくさん拾うことができますね。子供がクラフトをやりたい!と言ったら、まずは材料探しに外へ出ましょう。
  • 梱包素材は宝物 - 近頃では家で過ごす時間もぐっと増えて、止むを得ずネットショッピングをする機会も増えました。プラスチックのプチプチや大きな段ボール、避けられない時もあります。我が家では段ボールは必ず数日間子供の秘密基地と化します。先日は段ボールに小さな穴をたくさん開けて中に入り、プラネタリウム〜と言って楽しんでいました。一軒家で家に階段がある場合は、段ボールをいくつもつなげて滑り台を作るのもおすすめ!
  • ペンの代わりに色鉛筆やオイルクレヨン - プラスチック製のインクペンは、しっかりした作りのものが多い割に寿命は短め。破棄するときも違う素材を一緒になっているためリサイクルはできないものが多いです。子供の年齢が小さいと見事に蓋を開けっぱなしにして気づいたら乾いてしまった、なんていうこともしばしば。ペンの代わりに木製の色鉛筆やオイルベースのクレヨンを使ってみましょう。クーピーなどは原料がプラスチックなので要注意です。
  • パパのTシャツアップサイクル - 一家に数枚は絶対ある、パパのヨレヨレになったTシャツ。ハサミが使える年齢になったら子供達に好きなように切らせて自分が着れる服にしてみたり、手先の器用な子ならミシンのいらないエコバッグ作りにも挑戦できます。

モノよりも経験

Photo: 本物のハンマーを使ってキャンプテントの設営を手伝う娘

これは、子育てをする中で私が一番大切にしていること。子供を持って初めて、自分が子供だった頃に感じたことや楽しかった思い出を子供目線で振り返ったとき、頭の中に浮かんだ思い出に「何かをもらった」ということがひとつもなかったのです。

毎週末のよう山に汲みに行った湧水、キャンプ場で裸足になってやったアスレチック、幼虫から繭玉になるまで育てた蚕、父の板の上に立って滑ったスキー。断片的に写真のように思い出されるのは「モノ」ではなく「経験」なのです。

人を育てるのもモノではなく経験。そこで培うのは、独り立ちしたときに必要となる判断力、決断力、想像力、そして自分自身の人生を切り開いていく好奇心と恐怖心のちょうど良いバランス。たくさんの経験には、プラスチックのおもちゃたちが持ち合わせていない、5感を育むパワーがあると信じています。

プラスチックフリーの子育てって意外と難しくない。自然とそこにあるものに寄り添うだけでできてしまう!皆さんもぜひ、できることから、楽しみながら実践してみて下さい。

Believe in the power of experience💚

 

 

1件のコメント

  • いま、息子が五歳。子育て中にこの記事を読んでおきたかった…涙
    でも私には遅かったけど今だったんだなぁと。息子がいろいろ理解できる年齢になったので、ゴミのことや何から出来たものか、どうやって作られたのかなど話をすることができるようになりました^_^小さなことから脱プラ生活やっていきます!これからの発信も楽しみにしています♪

    Rimi

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