Black"OUT" Friday!

ハロウィンやイースターなど、元々欧米で親しみのあるイベントが日本でも浸透し始めたのはごく最近の話。中でもここ2、3年の間に急激に拡大したのが「BLACK FRIDAY(ブラックフライデー)」と呼ばれる11月の4週目の金曜日。大型ショッピングモールや大手家電製品店から小さな小売店・量販店までもが、一斉に大幅値下げセール行う日となっています。

アメリカでは毎年、感謝祭(Thanks Giving Day: 11月第4木曜日)の翌日をBlack Fridayとしていて、翌月に迫ったクリスマスプレゼントの買い物をこの日に済ませようとプランニングする人もたくさん。普段手も出せないような製品が50%~90%オフで販売されることも多いので、この日を狙ってなんとしてでもゲットしようと、みんなかなり燃えた状態で前夜から店の前に並んだりもします。

このBlack Fridayは、隣接のカナダではクリスマスの翌日に"Boxing Day"と呼ばれ、似たような商戦方法は日本でいう年始の福袋セール、といったところでしょうか。兎にも角にも、あふれんばかりの消費を促す巨大マーケティングの渦なのがよくわかります。

あまりの製品欲しさに毎年オープンと同時に並んでいた客が押し寄せけが人が続出したり、入場制限をするショップのショーウィンドウが割られたり、発砲事件が起きたりと、死亡者も多数出るほど、信じがたいニュースも絶えません。物欲に負けて理性を失った人間の姿は、あまりにも愚かで日々の消費や本当に必要なものについて、果たしてどれくらいの人がちゃんと考えているかな、と思ってしまいますね。

そんな惨めなニュースが年々増えていく中で、いくつかの企業がBlack Fridayの主旨を覆すキャンペーンを打ち出します。

これは、2011年にアウトドアアパレルメーカーのパタゴニアがBlack Fridayに合わせて出した広告。服を売っている会社が、服を買うなって言うとはどういうことが。この広告はとても印象的で当時多くの注目を浴びました。

パタゴニアはもともと消費者主義に便乗せず、同じものをできるだけ長く持ち、壊れたら修理してまた使う、という理念を持っていました。Black Fridayに巻かれ、「必要だから」ではなく「セールだから」という理由でなんとなく買い漁っていたBlack Fridayの常習者たちに「消費のカッコ悪さ」というパンチを投げつけたのです。

こういった企業のアクションがきっかけで、近年ではBlack Fridayを実施するお店などで、中止を訴えるため"BlackOUT Friday"と題して大勢が集まってショッピングをボイコットするなど、消費について考え直す行動も増えています。メッセージ性を伝えるためにその日の営業をお休みする店も増え、「売りまくりたいビジネス」とそうでないものが両方存在するようになりました。私たち日本人にも馴染みのある以下の企業も、アメリカではBlack Fridayの日にお店を閉めています。

      

 今年は新型コロナウィルスの影響もあり、例年よりも売り上げが大幅に下がっている企業も多いはず。どのような形で実施されるかは場所によると思いますが、少なくとも日本国内でも多くのお店やオンラインストアでBlack Fridayにあやかったセールイベントが開催されるでしょう。

もちろん何を買うかは個人の自由。消費がいけない訳でもありません。あまりにもたくさんのものが、とても簡単に手に入る今の時代だからこそ、じっくり考えて、必要なものを必要な分だけ手に入れましょう。自分の身の丈に合ったものを、長く愛せて大切に使えるものを、選んでみましょう。

minimal living tokyo.もBlack"OUT" Fridayに賛同し、11月27日の金曜日はオンラインストアをクローズします。この日はお買い物をする代わりに、普段の自分の消費についてや、これからの理想の消費スタイルについて、少し立ち止まって考えてみてください!

1件のコメント

  • 素晴らしいですね。賛同します。先日購入した商品も全て素晴らしいです、大切に使わせて頂きます🥰

    吉川 尚子

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