上昇し続ける気温【今年の夏はどうなる?!】
今週、気象庁が発表した「3ヶ月予報・暖候期予報」で、2025年の夏も日本列島を猛暑が襲うという発表がありました。
これを受けて「え?!去年よりもさらに暑くなるの?耐えられない〜」というような街角コメントを見かけましたが、この発表には何も驚くべきことはありません。
だって、私たちが秋から冬へと過ごしている間にも、体感は寒くても、雪がたくさん降ったとしても、温暖化は着実に、さらに加速して進んでいるのです。
2025年夏の暖候期予報
25日気象庁が発表したこの先3ヶ月間の予報では、5月ごろから高温になる地域が多く、梅雨の時期は大雨や土砂災害などが起きる確率がさらに高まる降水量が予測されていること、そしてが7月以降は全国的に平年を大きく上回る高音が予測されている、との内容でした。
この2、3年は8月になると人間の体温を超えるほどの高温になる地域が年々増えているな、という感覚がありましたが、今年もまたさらに気温の上昇が予想されていて、高いところでは60%〜70%以上の確率で平年よりも高くなると言われています。これは、命に関わる危険性のある気温の高さになることがほぼ確実にあるということになります。
暑さの原因は?
気象庁によると、この先の3ヶ月は寒気の影響を受けにくことで北日本が平年より気温が高くなることや、低気圧や前線の影響も少ないと予想されているため西日本や沖縄・奄美などの降水量が平年より少なくなることを要因としています。
しかしこれ以外にもはっきりと提示されているのが「地球温暖化による気温上昇」です。
地球温暖化が進んでいることで
- 世界的に大気全体の温度が高くなっている
- 北日本でも上空の寒気が弱いため寒さの影響を受けにくい
- 全体的な高温により海水温度も下がらない
- 台風が発生しないと温まった海水の温度が下がらず、生態系への悪影響が続く
など、気温が全体的に高すぎることで各方面から異常気象などを観測することになります。
「平年並み」はもう合わない
天気予報を聞いていると、「今日は平年より暖かく、4月中旬並みの気候です」などと耳にしますが、私はそもそも「平年並み」というフレーズにここ数年違和感を感じている。なぜなら、気象予報の一部は過去数十年のデータを元に作成されるけど、ここ数年の気象データは、いろいろな記録を更新し続けているせいで、正直言って予測不可能になってきているのではないかと思うからです。実際に「最近の天気は予測しづらい」と言っている気象予報士もたくさんいます。
私たちは今、人類が地球に存在して以来体験したことのない気温の高さの中で生きています。そしてこれからも、地球規模で大きく産業が変わっていかない限り、気温は止まることなく上がり続け、今ある生態系はどんどん崩れていってしまいます。
「平年より暖かくてよかった」と聞いて、「なんて呑気なことを言っているのだろう?!」とすら思ってしまう。民放でも、もっとはっきりと言ってほしい。
「暖かくて過ごしやすいのも異常気象ですよ、4月になる前に桜が散ってしまうのも異常気象ですよ」「確実に温暖化が進んでいますよ、さて私たちには何ができるのでしょうか?」そう問いかけてほしい。平年より暖かいだけ、ではないんです。
猛暑に向けてできる備え
今年の夏が酷暑になることはすでに確実ですが、これによりリアルに生き抜くための、死なないための対策が必要になります。日本は比較的冷暖房設備が整っているところが多いですが、冷房をつけていても熱中症で亡くなるニュースは、毎年ありますよね。
備えあれば憂いなし、というように、暑さ対策は地震などの災害対策と同じくらい重要になっていると思います。酷暑の夏を乗り切るために、どのような備えができるでしょうか?
冷房対策
- 冷房がつけられる環境にいる場合、必ず冷房をつけましょう。こまめにフィルターを掃除したり、室外機の周りを日陰などにして涼しく保つことで、冷房効率を上げ、設定温度を27-28度に保ちます。
- サーキュレーターや扇風機を導入して、冷気が部屋中に行き渡るように工夫することで、こちらもまた冷房効率を上げ、省エネにもなります。
- より多くの時間を過ごす部屋のみに冷房を起動しましょう。直接陽が入る部屋の場合は、ブラインドやカーテンで日光を遮断することで冷やすための電力を多く使わずに済みます。植物やヘチマカーテン、すだれなどを工夫して配置することも効果的です。
- ホームセンターなどで、窓に直接貼ることのできる遮熱シートなどもあります。
- 冷房だけでなく、冷却マットなど体感を冷やせるアイテムを導入することもできます。
エネルギー対策

夏の猛暑で停電などがあった場合、寒さをしのぐよりも危険な可能性があります。そのために準備しておくとよいことはなんでしょうか。
- 太陽光パネルの導入を検討 - 移動できるポータブルタイプのものから、戸建ての屋根などに設置できるものまで大きさや価格にもかなり振れ幅があります。(我が家は、直径150cmほどの折りたためる太陽光パネルがあり、停電時にはそれを扇風機に繋げたりすることができます)
- 一定量の保冷アイテムを保管 - 負傷した時などに使う叩いて瞬間冷却できる袋などは使い捨てで見かけますが、あまり長持ちもしません。家庭用の冷凍庫は、冷蔵庫と違って中にものが多いほど冷凍効率が上がると言われているので、冷凍庫の空いたスペースに繰り返し使えるタイプの大きめの保冷剤などを常に冷凍しておきます。停電時なども、冷凍庫の中がぎゅうぎゅうの方が、中のものが溶けにくくなります。(我が家はいざという時飲料水としても使えるように、ペットボトルも数本冷凍してあります)
- 夏の冷房費は、外気の気温が高ければ高いほど冷やすためのエネルギーをより多く必要とするので、電気料金に直で響きます。家計のためにも、エネルギー過剰消費を避けるためにも、必要以上の電力使用をできるだけ避けましょう。差し込みっぱなしのコンセントや、つけっぱなしの電気、こまめに気にしてみてください。
猛暑x災害対策
この夏は大雨による洪水や土砂災害などが引き続き警戒されます。これは山奥に住んでいようが、都心に住んでいようが、インフラが崩れた時の影響は同じです。
- 防災グッズを見直しましょう。賞味期限切れのものがないか、冬の災害対策として防寒は用意してあっても、クールダウンするアイテムは何かあるかどうか。気温が高くなるところに非常食や水などを保管している場合(車内なども)高温によりダメージを受けていないか、などなど。確認しましょう。
- 日除、日光を遮断できるものも用意しておきましょう。
- 暑さにより、小さな傷なども感染症を起こしやすくなります。ファーストエイドキットも必ず必要となります。
気温が上がり続けることで起きる、海洋生物の異常、それに連鎖して起きる異常気象と食糧危機など、予測される恐ろしい未来についてはここでは書きませんが、私たちがこうして過ごしている1分1秒のあいだにも、安定した大気は遠ざかっていきます。
日々の生活を見直す、対策をしている企業や人を選んで支持する、この事実から目を背けない、周りに周知する、とにかく解決に向けてひたすら動く。これが今の私たちにできることです。