今動き出す!HIGH SEAS TREATY (公海条約)
こんにちは!
今週のブログでは、私たちの生活に密接し、生命の源となっている「海」を守る条約がいよいよ世界的に動き出したことについて、わかりやすく説明していきます!
High Seas Treaty(公海条約)とは

どの国にも属さない海=「公海」を守るために、2023年に国連で合意された新しいルールです。
正式名称は「Biodiversity Beyond National Jurisdiction(国家管轄権外区域における海洋生物多様性の保全と持続可能な利用に関する協定)」(日本語なっが笑)
簡単にいうと、海を“誰のものでもないからこそ、みんなで守る”ための歴史的な条約として注目されています。
そもそも公海ってどこ?
海は大きく分けると:
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沿岸から約200海里(約370km)まで → 各国の管轄
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それより外側 → 公海(High Seas)
実はこの公海が、地球の表面の約半分を占めています。
でもこれまで、漁業、海底資源の探査、船の往来などがほぼルールなしで行われてきた関係で、過剰漁業、海洋汚染、深海生態系の破壊、海底資源の独占など、問題が起きても誰が管理するかが曖昧でした。結果として、守る人がいないので使い放題という状態が長く続いていました。
High Seas Treatyで変わる4つのこと

この条約で、主に4つのことが可能になります。
① 公海に「海洋保護区(MPA)」を作れる
これまでは難しかった、公海上での保護エリア設定が可能になります。これにより、生態系を回復させるエリアを、国際的に守れるようになります。
② 環境影響評価(EIA)の義務化
公海で何か大きな活動をする前に、海底採掘・大規模漁業・インフラ開発などが環境にどんな影響を与えるかを事前に評価する必要が出てきます。結果により公海への悪影響が多いと判断され活動の再検討や停止もありえます。
③ 海洋遺伝資源の利益を公平に分配
深海の微生物などは、医薬品・化粧品・バイオテクノロジーに使われることがあります。これを一部の国や企業だけが独占せず、得られた利益を国際的に分かち合おうという考え方です。
④ 発展途上国への技術・知識共有
資金や技術が足りない国も、海を守る取り組みに参加できるようにするため、技術支援・知識共有・キャパシティビルディングが盛り込まれています。要は本当の意味で「みんなの海」になります。
なぜ今、注目されているの?
国連は「2030年までに海の30%を保護する(30×30)」という目標を掲げています。
この High Seas Treaty (公海条約)は、国連加盟国の交渉を経て、国連海洋法条約の下での新しい枠組みとして2023年6月に合意・採択されました。条約は合意されただけでは 法的効力はまだありません。ここから各国が「批准(国内で承認)」する必要がありました。
3年という月日を経て、批准の発行条件である「60カ国」をクリアし、今年1月17日に(つい最近!)この条約の法的効力が発生するようになったのです。批准された60カ国はそれぞれの国で、実施のための法律づくりや、国内の産業・科学界とのすり合わせをしていきます。
国連が目標として掲げる「30x30」は公海を守れなければ達成できなく、気候変動とも深く関係しているため、この条約は「地球規模で海を守るための“最後のピース”」とも言われています。
今後は、この条約を運用するための会議(COPなど)が重ねられ、公海上に保護区(MPA:Marine Protected Area)が設定されます。
気になる日本の立場

日本は、COPでほぼ毎年、環境保護に対して前向きな姿勢が見られないことから 「化石賞」を受賞するほどですが、実はこの公海条約には前向きです。
日本政府は 2025年5月に国会で協定(BBNJ=High Seas Treaty)の締結を承認し、
同年 12月12日に国連へ批准文書を提出(加入)しました。つまり、日本はこの協定の正式な締約国(Party)となっています。
海に囲まれた島国であり、漁業は国にとって欠かせない産業、隣接国との問題も絶えない中で、日本にとっては法の支配に基づく海洋秩序を維持・発展させることに重点を置いた上での締結となりました。
政府(環境省)はすでに、公海での環境影響評価をどう扱うか、それを国内の企業や機関がどう実施するかについての ガイドライン案を作成・公表しています。
海を守るルールは、暮らしを守るルール

公海条約は、遠い国連の話でも、専門家だけの話でもありません。
海の健康は、食・気候・私たちが使う製品、すべてにつながっています。完璧な選択をする必要はありません。でも、「知って選ぶ」ことで、海を守る流れの一部になることはできます。
海は誰のものでもない。だからこそ、みんなで守る。
《High Seas Treaty 公海条約 》は、そんな当たり前のことを、ようやく世界がルールにした一歩です。
So, this must mean that no more stuff can be released into the atmosphere or put on land or crops [like pesticides, roundup, geoengineering] that will wash into the sea?
Good to hear.