今更聞けない!プラスチック由来の服をおさらいしよう
大手アパレルブランドでは、この数年で続々と古着回収システムが定着しています。もう着なくなった服を寄付するところもあれば、買取をしてくれるところもあったりして、「捨てるよりはマシ」という考えで、それでもいとも簡単に服を手放していませんか?
このような取り組みが広がっているように感じられる一方で、さまざまな形で破棄となった衣類は9割以上が埋め立て、または焼却されているのも事実です。しかもその6割以上が石油由来の化繊繊維でできたものと言われています。
某大手ファストファッションブランドが、衣類を回収してリサイクルするというプログラムを掲げながらも実際には発展途上国に送って大量破棄していた、というのは有名な話ですね。
さて今日は、秋シーズンの服が店頭に並び始めるタイミングで、もう一度サスティナブルファッションに欠かせない知識をおさらいしていきますよ!
知っておきたい:4大プラスチック繊維

呼び名は違えど、どれも元を辿れば石油由来。バージンプラスチックからさまざまな化学的工程を加えられて開発された素材です。
- ポリエステル:言わずと知れたプラスチック生地。ペットボトルと同様の素材で、最も多くの衣類に使用されています
- ナイロン:ツルツルして伸びる生地で、水着や下着、靴下やアクティブウェアなどに使われることが多いです
- ポリウレタン:こちらも伸縮性がありレギンスなどのスポーツウェアを中心に幅広く使われています
- アクリル:なんかチクチクするな、、、と思ったらアクリルが入っていることも。セーターや厚手のニット生地などに使われています
プラスチック製の生地を着用する環境面での最大のデメリットは、マイクロファイバー(細かいプラスチックの繊維)の排出。目に見えないほど細かいプラ繊維はそのまま海水に流れ出て深刻な汚染問題となっています。環境にこれだけ影響があるということは、それを肌につけている私たちにも同等の害がありますよね。
これらの繊維は機能性に優れたスポーツウェア、アウトドアウェアにも適していて使い方、ケアの仕方によっては天然繊維よりも耐久性が高く実際には何十年も着れるものが多いです。化繊繊維を完全に避けて服を選ぶことは難しいので、選ぶ際にはユーズドを探したり、破損したときに修理が可能なメーカーを選んだり、適したケア方法をしっかり知ることが大事です。
天然素材リスト

化繊とは逆に、植物や動物から加工され繊維や生地になる素材は以下の通りです:
- 綿(コットン)
- 麻(リネン、ヘンプなど)
- ジュート
- ココナッツ繊維
- ウール(羊毛)
- シルク(絹)
- カシミア(山羊)
動物由来のものに関してはエシカル的に「???」な製造背景がたくさんあるし、コットンの大量生産も環境負荷が高いですが、化繊素材を大きく異なるのは破棄された後の行方です。マイクロプラスチックを排出することもなければ、焼却や埋め立てに持ち込まれた際に排出される遊毒物のレベルが圧倒的に低くなります。
化繊素材の服を持っているなら、、、
防水機能のあるジャケットや、運動するときのウェアなどは、やはり天然素材では補えない機能性が必要になるので化繊素材になります。所有している、これから購入を考えている、そんな時はう以下のことを念頭に置いておくといいかもしれません:
- 洗濯回数を減らす:これは物理的な効果があります!実際に、化繊素材の衣類を洗う際に排出されるマイクロファイバーを減らすための専用の洗濯ネットもありますね。
- 新品ではなく古着で探す:前にも書いたように、耐久性の非常に高い素材なので、2、3年着ただけでは全然ボロボロにならないので、フリマサイトや古着ショップを巡ってオンリーワンに出会う楽しみを味わえます。
- 買い替えではなく修理を:アクティブウェアなどは特に、パーツが多いので破損してしまうこともしばしば。ジッパーやボタン、ポケットの内袋など、万が一破損してしまっても修理が可能なものを選びましょう。小さなほつれなどはお家にある裁縫キットでも簡単に直せます。
- ケア方法を知ろう:撥水や防水加工のあるアウターウェアなどは特に使用する洗剤や乾燥の仕方などに気をつけるだけで、驚くほど耐久性が続きます。着用後毎回洗濯をしなくても、汚れや汗を拭き取ってしっかり乾燥させるだけのホームクリーニングも効果抜群です。
衣類には寿命があります。長く着ていれば、生地は弱くなりいずれ着れなくなります。だからこそ世の中には新しいものを買うことを躊躇させない、「着れなくなったらまた買えばいい」と思うような服がたくさん売られています。
地球上には今、この先数百年人々が衣類に困らないくらいの洋服が製造されています。お店に立ち寄った時、好きな服のサイトを開いた時、今日のこのブログの内容を思い出してもらえたら幸いです。
このテーマのおすすめ書籍:TO DYE FOR: How Toxic Fashion Is Making Us Sick(全英文。日本語翻訳版は未出版)
ブログ参考記事:Greenpeace Japan