進化し続ける!再生可能エネルギー

今年の7月22日に発行されたeuro newsの記事で、こんなヘッドラインを見つけました。

"More than 90 % of new renewable energy projects are now cheaper than fossil fuels."

「新規再生可能エネルギー・プロジェクトの90%以上が、化石燃料よりも安価に」

私たちは、化石燃料によるエネルギー発電が環境的ダメージを除いては一番効率的で安価とされていると教えられて来ましたが、この記事によると、国連の報告書には現在、太陽光と風力がほぼ常に、新規のエネルギー発電において最も費用効率が高く、かつ迅速に導入できる選択肢となっていると示されていました。

2024年の再生可能エネルギー

昨年の再生可能エネルギーの拡大と成長をまとめると以下のようなことがありました:

  • 世界の新規再生可能エネルギー容量の追加は582ギガワットに達し、これは2023年比で約20%増加。これは記録開始以来、最大の年間伸び

  • 世界で新たに構築された電力容量のほとんどが再生可能エネルギーであり、化石燃料を上回った

  • 世界全体の電力成長の約4分の3が、風力、太陽光、およびその他のグリーンエネルギーからのものであった

これを受け、国連および国際再生可能エネルギー機関IRENAの分析結果では、新規の再生可能エネルギーの90%以上が、最も安価な化石燃料よりも安価に電力を供給していることがわかりました。

また、太陽光は現在、化石燃料より41%安価となり、以前はその数倍のコストがかかっていました。海上風力は今や53%安価であり、新たに導入される再生可能エネルギー源として最も手頃な選択肢として検討されています。

国連が発表した今後取り組むべき課題

パリ協定以来のクリーンエネルギー革命の成果として、グローバルGDP成長の10%、ヨーロッパの経済成長のほぼ33%が2023年にクリーンエネルギー分野によって牽引されました。

グテーレス国連事務総長は、「化石燃料にはもう延命の余地はない。クリーンエネルギー時代の夜明けだ。お金の流れを見れば明らかだ」と述べています。しかし、再生可能エネルギーは化石燃料の約9倍少ない政府からの消費補助金しか受けておらず、これが普及の遅れの大きな要因となっていることも明らかにしました。

IRENAのラ・カメラ事務局長は、地政学的緊張、関税、原材料の供給制約が勢いを妨げ、コストを押し上げる可能性に触れ、「再生可能エネルギーへの移行は止められないが、その速度と公平性は今日の選択にかかっている」と述べました。

ソーラーパネルのデメリット

太陽光発電には多くのメリット(クリーン、再生可能、運転コストが低いなど)がありますが、以下のようなデメリットも存在します。

1. 天候・日照に依存する

2. 設置に広いスペースが必要

    3. 導入コストが高め

    4. 廃棄物問題(一般的な寿命20~30年、使用済みパネルのリサイクル・処分問題)

    5. エネルギー密度が低い

    6. 発電の安定性に欠ける

    技術の進歩により、スマートグリッドの導入や高効率パネルが開発されパネルのデメリットは徐々に改善されつつあります。また、国や自治体の補助金や税制優遇により小規模なパネル設置(自宅の屋根など)も、以前よりハードルが下がっています。もし戸建てやマンションなどを所有していて、導入を考えている方はまずお住まいの地域でどんな補助が受けられるかを調べてみるのもいいかもしれないですね!

    国連の報告書では、再生可能エネルギーの拡大と成長を「ポジティブな転換点(positive tipping point)」とも記述していました。今後もこれが続くように、自分が使うエネルギーを再エネ発電している電力会社から供給してもらったり、再エネを政策に入れている政党や企業を選択していきましょう!

    参考記事:euro news https://www.euronews.com/green/2025/07/22/more-than-90-of-new-renewable-energy-projects-are-now-cheaper-than-fossil-fuels-study-show

     

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