サステナ生活の5月病

この記事を読み終えるまで:6分

こんにちは!エリです。

環境の変化が多い4月がスタートし、5月の大型連休も過ぎた今頃に心身ともに疲れを感じる人が増える傾向にあります。

もちろん社会人だけでなく、新しい学校やクラス替え、進級などで子供たちも同じように感じています。これが一般的に「5月病」と呼ばれ、気分が沈みがちだったり、疲れやすかったり、モチベーションが見つからないといったような症状があります。

実はこの「5月病」、以前からサステナブル業界でも感じられるようになったなと思っています。これを読んでいる人の中でも、「結構頑張ってエコ生活心がけてきたけど、なんか最近疲れちゃった、、、」と感じている方、いませんか?

minimal living tokyo.を通してゼロウェイストやプラスチックフリーをコンセプトに、さまざまなことを発信するようになって5年目。オープン当初と比べると、世の中はSDGsが広まり、企業レベルで大きく取り組みが始まっているようにもみえ、個人が得られるサスティナブルな情報や製品も選択肢が増えてきたように感じます。

しかしその一方で、これだけ地球環境はひっ迫していても、結局必要なことが定着していかないのは何故だろう?という漠然とした疑問があります。

サステナブル5月病 - Eco Anxiety -

あまりにも大きな課題、理想的なスピードで動かない政治や社会、結局目先の利益優先の大企業、とどまるところを知らないグリーンウォッシング。

ポジティブな目標を掲げ、やる気100%で取り組んでいたつもりが、こういったネガティブな現状により打ちひしがれてしまうことも少なくありません。

問題を知れば知るほど、その壁は高く自分一人の力では到底叶わない。自分一人のエコ活動には一体なんの意味があるんだろう、、、そう感じてしまうのも当然ですよね。

私も当然のようにそう考えることが多々あります。どうにかして地球の未来を守りたい、そう思っている全ての人が、このモヤモヤサークルの中でまどろんで、抜け出せない5月病の渦中にいるような気がします。

それに追い打ちをかけるように、社会では「サスティナブル」ワードが我が物顔で一人歩き。本質的な意味や問題を解決しようとせず、このワードを通じて更に資源が使用され、アンフェアな利益が生まれているのも事実です。

「自分一人で頑張ったって、、、」

「何をしたらいいのか、もうわからない、、、」

今日はそんな「エコ生活の5月病」を感じている方に、私が分析した続けられない理由・続けていく価値を伝授!

エコ生活、続かない理由はこれ!

【物質的問題】

サスティナブル商品に限らず、世の中で売られている全てのものに関して言えることですが、そもそも商品として使えないもの、値段が高すぎるものはユーザーが増えないのです。多くの大量生産自体されていないことから、サスティナブル商品には、少なからずともこういった問題がつきまといます。

1. 値段が高い

サスティナブル商品は、そうでない商品に比べると値段設定が高めです。多くの場合、天然素材を原料とすることで原価自体が上がり、さらに加工段階でも特殊な技術や長い時間が必要となるため値段が上がるからです。

パッケージも値段が上がるメインの理由の一つで、開封してすぐに捨てられるプラスチック製のものに比べ、紙パッケージや繰り返し使える素材(ステンレスやアルミなど)を使用した場合、そのコストは25倍以上になります。

使いたいな、と思っても、経済的に不可能というのは珍しくありません。例えば月に1回、100円で買えていた消耗品を1000円で買うとなったら、家計への負担が目に見えますね。コスト負担の上昇は、現実的ではないし続けていくことは難しくなります。

2. 結局ゴミが出る

「何がなんでもゼロウェイストを貫きたい!」こう思えるのは素晴らしいこと。しかしはっきりと言いますが、100%ゼロウェイストはIMPOSSIBLE! 不可能です。私たちは生きて生活をしているだけで十分な老廃物を出しています。

エコなグッズであろうと、そうでなかろうと、ゴミが出るのはしょうがないんです。

自分に厳しい人ほど、「これも買えばゴミになる、何かもプラ包装〜!」と自分を追い込み楽しめなくなってしまいます。あれもゴミこれもゴミと様々なものを粗探しのような目で見るようになります。そういう時は、「ゴミになるから買えない」のではなく、「ゴミにならなそうなもの買おう」というプラスマインドにシフトしてみてください。使い終わったらまた◯◯として使えるかな、資源リサイクルできるかな、誰かに譲ろうかな、そんな風にモノのサークルオブライフを考えてみてください。

ゼロウェイストのそもそもの意味は「ゴミゼロ」ではなく「根本的にゴミにならないものづくり」にあります。私たちは消費者として、製造者に意見することもできる立場にいます。何か思うことがあれば、お客様センターに声を届けることも可能です。多くの声が集まればコトは動いていきます。

普段行きつけのスーパー、お気に入りの雑貨屋さん、カフェやレストランなど、「こうしたらもっといいのにな」と思っていたら、その声を届けてみることも大きなエコアクションですね。

3. 使いづらい

モノが使いやすいか、そうでないか、は当たり前ですが人によって異なります。良し悪し、好き嫌いの感覚はみんな違って当然だからです。

エコグッズは使い勝手があまり良くない、という意見は以前から一定数いただきますが、これも本当に個人差があり、多くの場合「慣れていない」ということが根本にあるように感じます。

使いづらい、と思うものを無理に使い続ける必要は全くないです!毎日時間勝負でこなさなくてはいけない家事で、そこにストレスを増やすのはNG。そういう時は潔く諦めて他で補いましょう。

ちょっと使いづらいけど慣れるよね、まーいっか!そう思えるのなら、使うことで環境負荷を少しでも減らせている、ということに嬉しさを感じられるはず。どっちが正しいかではなく、最終的に好きか嫌いか、そんな感じでもいいんです。

【精神的問題】

エコ生活が続かない理由として、物質的な問題よりも多いと感じているのが、この精神的な問題です。

1. できなかった罪悪感

エコアクションをすることに対して、期待と責任感が大きすぎる気がします。仕事でもなければ法律でもない、あくまでも任意行動であり、その内容は個人の自由なのに、頑張っている人は特にできていないことにフォーカスしがちです。

地球にいいことをやる!子供の未来のために頑張る!職場でアクションを起こす!意気込みはあっても自分一人の力ではどうにもできないことがあると、達成できない罪悪感 に追われてしまいます。

エコ生活を送る上で一番NGなのは、自分を責めること&他人と比べること。地球に良いことをしてハッピーになれる自分を思い出してみましょう。

2. 余裕がない

そもそも、「環境問題への取り組み」を毎日の生活に取り入れる余裕がない人がたくさんいます。これは悪い意味ではなく、みんなめちゃくちゃ忙しいんですよね。仕事や子育て、人間関係のトラブル、病気や怪我があれば尚更、意識なんて向けていられない。毎日分刻みで動いているのに、そこでいきなり「地球の未来を考えましょう」と言われてもあまりにも漠然としすぎていて響かないものです。

自分にはそんな余裕ない。自分はそんな意識高くない。

多くの人がこう思っていて、自分自身でハードルを上げていくことによって、小さかったはずの最初の一歩がどんどん大きくなって、踏み出しづらくなってしまうのです。

また、明日生きられるかさえも分からないような現状にある人にエコ生活は強いられません。フードロス削減やパワーシフトなども、結局は豊かな生活がある上で成り立つエコアクションです。

なので今、何らかの理由で未来に目を向けている余裕がないのなら、それはしょうがないことです。いつかタイミングが来るまで待ちましょう。そしてもし、少しでも余裕があるなら、今の自分にできるベストを尽くしましょう。

同じボートに乗っている人がたくさんいます!

さて、これを読みながら「自分はサステナブル5月病なのかも?」と感じたら安心してくださいね。海洋ごみ汚染問題に関わる仕事から始まり、サステナブルアパレル企業を経て、ゼロウェイストコンセプトのショップを運営するまで、10年ほど経っている私も、常に "サステナ5月病" を感じています。 

だからこの記事を読んで、よかったー!自分だけじゃなかったー!そう感じてほしい。そして、目に見えることだけがエコアクションではないということ、サステナブル=環境問題への取り組み、だけではないということを改めて理解してほしいです。このように視点を変えることで、自分のため、誰かのため、地球のためにホリスティック思考になれるからです。Holistic Wellnessという言葉がしっくりきますね。

今一番大事なことはおそらく、未来にとってプラスになることを継続していくことです。継続させるためには無理はできなくて、少なくともFUNな要素がなければ続かない。だからこそ、それぞれの楽しみ方も見つけてほしいし、他の誰と比べるわけでもなく、自分の "feel good"を貫いてほしい。

兎にも角にも、できる人ができるときに全力で、肩組み合って大切な毎日を過ごしていきたいですね!

 

コメントを残す

コメントは表示される前に承認される必要があります。