ヘルスコーチAYUMIの『本当のところ、どうなの?』Vol.06

本当のところ、休むってどういうこと?
〜 何もしない時間が、幸せにつながる理由〜

「休むのは、頑張った後」と思っていませんか?

ぼーっとするのはよくないと思ってる、休みの日なのに予定を入れすぎる、疲れていても限界まで頑張って、体調不良になってやっと休む。そんな経験はありませんか?

私たちは働くこと、行動的であることは賞賛しますが、休むことに他人にも自分にも厳しくします。その結果、疲れていることに気づいていても休まず、体調を崩したり、心も身体も動かなくなったりして、ようやく休む人も少なくありません。

でも本来、休息とは限界を迎えてから取るものではありません。食べることや眠ることと同じように、私たちが健康に生き、また元気に活動するために必要なものです。では、あえて何もしない時間をつくることで、私たちの脳や身体には何が起きるのでしょうか。

頑張り続けるほど、生産性は落ちていく

「休むと遅れる」「止まると仕事が進まない」と感じる人は多いかもしれませんが実際には、長時間集中し続けるほど、注意力や判断力は少しずつ落ちます。疲れた状態で頑張り続けると、作業時間は長くても、同じことを何度も考えたり、ミスが増えたり、判断に時間がかかったりして、結果的に効率が下がることがあります。

一方で、短い休憩を入れることで注意力が回復し、問題解決力や創造性が戻りやすくなることも研究で示されています。つまり、休むことは仕事を止めることではなく、パフォーマンスを維持するための一部なのです。

実は、何もしない時間こそ回復する

何もしていないと、「時間を無駄にしている」と感じる人もいるかもしれませんが実は、私たちが休んでいると感じているだけで、身体の中ではさまざまな働きが続いており、決して休んではいないのです。

身体を休ませると、副交感神経が働きやすくなり、心拍数が落ち着いたり、消化活動が促されたりと、身体は回復や調整に適した状態へと切り替わっていきます。活動している間は、脳や筋肉だけでなく、心臓や消化器官など多くの臓器が働いているため、意識的に活動を休むことで、身体はエネルギーを回復や維持に使いやすくなります。

脳も同じで、ぼーっとしているときには「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」と呼ばれるネットワークが活動し、記憶や感情、経験を整理したり、自分自身について考えたりする働きに関わっています。

つまり、何もしない時間は、何も起きていない時間ではなく、外側への活動を止めることで、身体は身体の仕事をし、脳はこれまでに受け取った情報を整理するのです。

私たちにとって休息とは、単に疲れを取るだけではなく、心と身体を次の活動へ向けて整え直すための時間なのです。

休むことは、感情にも余白ができる

休息が必要なのは、身体や脳だけではありません。私たちは毎日、仕事、人間関係、SNS、ニュースなど、たくさんの情報や感情に触れながら生活してる影響から、常に何かを考え、誰かに反応し続けています。

この状態が続くと、本当は何を大切にしたいのか、感じているのかに気づく時間まで失われていきます。何もしない時間をつくると、以下のようなことが自然とわかるようになります。

  • 今、自分は何を感じているのか
  • 何に疲れていたのか
  • 本当は何を望んでいるのか

休むことは、単に身体の疲れを取ることではありません。溜まった感情を処理し、自分自身に戻るための時間でもあるのです。

本来の『休む』、できてますか?

ここでいう「休む」とは、一日中寝て過ごしたり、何もせずダラダラすることではありません。「休」という漢字には、仕事や動きを止めて心身をやすめる、活動をやめるという意味があることを知っていますか?「人」が「木」のそばで休む姿を表した文字とも説明されており、“仕事や労働を止めて、心身を楽にする。良いこと”という意味合いがあります。

多くの方がやりがちな間違いは、休む、とは携帯、テレビを見ながら過ごしたり、情報の中で寝転ぶことです。

休むとは、“し続けること”から一度離れること。その余白が、心と身体を次の活動へ向けて整える時間になるのです。

今日からできる「本当に休む」5つの方法

  1. 1日10分、何もしない時間をつくる
    空を眺める、お茶を飲むなど、目的のない時間をあえて持ちましょう。
  2. スマホを置いて散歩する
    情報を受け取ることをやめて、景色や風、音に意識を向けます。
  3. 疲れ切る前に休む
    「もう無理」となってからではなく、集中力が落ちてきたら10分で構いません。一度身体を止めます。
  4. 予定を入れない時間を先に確保する
    空いたら休むのではなく、何も予定を入れない時間をあらかじめつくります。
  5. 一日の終わりを自分で決める
    「まだできる」ではなく、「今日はここまで」と区切り、心と身体を活動モードから離します。

休むことは、人生の幸福度を高める

仕事や情報から離れ、何もしない時間を持つことで、ストレスから心理的に距離をとり、自分の感情や本当に大切にしたいことにも気づきやすくなります。研究でも、仕事から心理的に離れて回復することは、ウェルビーイングや生活満足度と関連することが示されています。

空を眺める、自然の中を歩く、誰かとゆっくり話す。そんな余白があるからこそ、自分がすでに持っているものや、目の前にある小さな幸せにも気づけるようになる。休むことは、より多くのことをするためだけではなく、今ある人生を感じるためにも必要な時間なのです。

頑張る時間と同じくらい、何もしない時間も大切にしてみてください。その余白が、より健康に、より自分らしく、人生を楽しむための力になっていきます。

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