ヘルスコーチAYUMIの『本当のところ、どうなの?』Vol.02

第二弾!「本当のところ、どうして満たされない?」

満たされない感覚

最近、「満たされない」と感じることはありませんか? 何かを食べても、何か買っても、好きなことをしても、なぜか心の奥が落ち着かない。焦っている感覚。欲しいものはすぐに手に入り、知りたいことも簡単に見つかる、数年前よりも確実に豊かな時代を生きていますが、それでも、「満たされている」と感じている人が増えています。

実は、人は物があふれ、選択肢が増えるほど、「もっと良いものがあるのでは」と考えるようになると言われています。その結果、必要以上のものを持っていても、たくさんの情報を知っていても、それでもどこか“もっと違う何か”を探して、満たされないという感覚を抱きやすくなるのです。

今日は、この「満たされない感覚」について、少し立ち止まって考えてみたいと思います。

満足は長く続かない

実はこの「満たされない感覚」は、私たちの性格や気分だけの問題ではありません。心理学の研究では、「ヘドニック・トレッドミル(快楽順応)」と呼ばれ、人は幸福な状態に慣れてしまうことで、幸福感を得ても、再び幸福感を求めるという心理現象があることがわかっています。

つまり、人は何かを手に入れるたびに幸せになり続けるわけではなく、時間が経つと、その状態に慣れ、また次の満足を求めるようになる、ということ。

さらに、ハーバード大学が70年以上続けている幸福研究でも、人生の満足度を大きく左右するのは、収入や物の量よりも、人との“つながり”や“人生への達成感、充実感”であることが示されています。こうした研究からも、満たされない理由は「足りないから」だけでは説明できないことが見えてきます。

満たされない3つの理由

ではなぜ、近年の私たちは、満たされにくくなっているのでしょうか。それは一つではありませんが、大きな3つの理由を挙げます。

1. 情報過多

朝起きた瞬間から眠る直前まで、情報のシャワーに浴び続けています。食事、洋服、働き方、暮らし方など、何をするにも選択肢が無数に存在し、休んでいる時もSNSや動画を見続ける生活です。これは脳が常に新しい情報を処理し続けることになり、考え続け、知らないうちに神経が緊張した状態になりやすくなります。

本来、人が満足感や充実感を感じるためには、神経が落ち着き、安心している状態が必要です。しかし情報に触れ続けていると、心が休まる時間が少なくなり、どこか落ち着かない感覚が続いてしまうことがあります。これを“焦り”と感じる方もいるでしょう。このような連続した神経が休まらない状態が、たとえ十分なものを持っていたとしても、「満たされない」と感じやすくなる原因です。

2.SNSが生む比較

本来は自分の生活とは関係のないはずのものでも、見続けているうちに、「もっと良い生活があるのでは」「自分はまだ足りていないのでは」と無意識に比べることがあります。10年前は、今よりも他人の生活を知りませんでした。世界中の人の暮らしを今ほど見る機会がないため、比べるのは友人や会社の同僚など目に見える範囲でしたが、今は世界中の人と自分の家族や暮らし、生き方を比べてしまいがちです。見ながら心の奥底で、比較からの“もっと”が生まれます。

3. “つながり”の欠如

コロナの後から、特に人とのつながりが薄くなりました。皆んなで集まって食べる、飲む、笑う、体に触れる、精神的に支え合う、などです。実際に、世界的に孤独を感じる人が増えているという研究もあります。人はもともと“ソーシャルアニマル(社会的な生き物)”で、他者とのつながりの中で安心や満足を感じる存在です。その感覚が少なくなると、特別に何かが足りないわけではないのに、どこか満たされないという感覚が生まれやすくなるのかもしれません。

満たされるために必要な2つもの

では、私たちは何によって満たされるのでしょうか。多くの場合、それは物の量や情報の多さではありません。
人が満たされていると感じるときには、いくつか共通する要素があります。

①安心できる環境があること。

私はこれを“愛のクッション”と呼んでいます。自分が何を言っても判断されず、良い時も悪い時も自分のままで良いんだと思わせてくれる、人、場所、時間があると、人はどんな状況でも強くなり、回復力がついて人生に意味を持つことができるようになります。深い会話でなくても、同じ時間を共有したり、気持ちを分かち合える相手がいることは、私たちにこれ以上ない安心感を与えてくれます。それは友人でも、パートナーでも、同僚でも、趣味の仲間、近所の方でも構いません。人生に1人いるだけで、細胞から満たされる感覚があります。

② 自然の中で過ごす時間。

自然の中で過ごす時間はストレスを下げ、心の安定や幸福感を高めることが研究でも示されています。皆さんもこれまで風を感じたり、土を触ったり、海ではしゃいだり、星空を見たり、森林浴をしたことがあるでしょう。思いっきり自然を感じた1日は満たされた感覚があったのではないでしょうか?特別な場所に行く必要はなく日常の中で自然をもっと取り入れましょう!外を歩いたり、ゆっくり散歩をしたりするだけでも、神経は少しずつ落ち着いていきます。

小さな問い

ここで一度、「私は今、本当に何を求めているのだろう?」と静かに自分に問いかけてみましょう。静かな場所で、手を胸に当てながら問いかけると、答えが返ってくるでしょう。

満たされないと感じるとき、私たちはつい、何かが足りないのだと思い込み、外に答えを探そうとしますが、本当は、何を欲しているのかを自分でわかっています。それはちょっとした休憩や、遊びや、誰かに話したい、肩の力を抜くことかもしれません。こうして自分に問いかけることは、「なぜ満たされないのか」と理由を探すことよりも、自分がどんな人生を求めているのかを知るヒントになるのかもしれません。

満たされない理由のヒント

満たされないと感じるとき、食べ過ぎたり、何かを買うことで満たそうとしますが、本当は、満たされない理由は「足りないこと」ではなく、情報や比較に囲まれる中で、自分の感覚が鈍くなっているだけなのかもしれません。

人はもともと、自然の中を歩いたり、誰かと話したり、安心できる場所で少し休んだりすることで、満たされる生き物です。これは無料で、今すぐにできることです。

何かを足すことばかり考えるのではなく、一度立ち止まり、自分が何を望んでいるのかを静かに問いかけてみる。その時間が、満たされない感覚を少しずつほどいてくれるのかもしれません。忙しい日々の中でも、ほんの少しだけ肩の力を抜いてみる。そこから、本来の満たされ方が見えてくるのではないでしょうか。

 

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